春陽館で迎えた、島原半島・小浜温泉の朝。ボリュームたっぷりのおいしい朝ごはんを食べ、硫黄臭の漂う温泉らしい温泉で朝風呂を浴びて、2日目が始まりました。
新館からは、旧館の大きな瓦屋根が見えて、なかなか壮観です。
路線バスで、昨日は乗り換えただけの雲仙へ。80年の歴史を誇るクラシックホテル・雲仙観光ホテルにやってきました。
ここは28年前の小学校に入学する前の春休み、家族旅行で来た思い出のホテル。当時は他に家族旅行に出かけた記憶もなく、6歳ながらかなり強く印象に残っている場所のひとつです。
エントランスの両側に並ぶ並木は、カイヅカイブキ。学校の校庭にもあるような木ではありますが、雲仙の環境とホテルを背景にすると、風格すら漂うように見えます。
道路に面し、隣には高層の旅館も建つロケーションながら、それをあまり感じさせないのは、この木々がほどよく視界を遮断している効果もありそうです。
泊まりたいのはやまやまだったのですが、本日は館内見学まで。
「図書室」は、ホテルには珍しい部屋だと思います。避暑で長期滞在して、ゆったりとページをめくってみたいものです。
全体的にリニューアルはかけられていますが、落ち着きある内装は6歳の時に感じた記憶を呼び起こさせます。
ホール部分もクラシカルな雰囲気。1階ロビーから続く階段は、集合写真を撮れば内閣の写真になりそうでした。
ホテルにはエレベータがなく、ロビーには高低差が。バリアフリーの概念からはほど遠いものの、広がりを持たせつつメリハリがつく空間になります。
今の時代では、なかなか作りえない建物といえるかも。
かつてはダンスホールとしても使われたレストラン。28年前、使い慣れないナイフとフォークを操った場所です。
夕食も食べたはずだけど、一番印象に残っているのは、朝食で食べたふわふわのプレーンオムレツ。あれ以来、大好物の一つです。
お初になるランチは、島原半島の地の食材を使ったコース料理。ゆったりと時間をかけてのコース、おいしかったぁ・・・。
数年前まで大きな和室の宴会場もあったそうですが、個人客を重視する姿勢からか、ホールに改装したとのこと。当時、両親が残念に思ったという、バーのカラオケもなくなっていました。
思い出の場所が変わってしまうと寂しいものですが、雲仙観光ホテルは、より本来のコンセプトに磨きをかけているようでした。次回はぜひ、泊まりで来てみたいものです。
雲仙温泉は、旅館街と地獄が隣り合わせ。
普賢岳のみならず、御嶽山や箱根の例からも、自然の恵みと災害は紙一重です。楽しむ時は楽しみつつ、万一の際は自然の声に耳を傾け、謙虚でありたいものだなと思いました。
バスで諫早に戻り、最終ランナーは787系「かもめ」。885系「白いかもめ」に比べれば鈍足ですが、設備にはひとまわりゆとりがあって、グループ旅行に行くならおすすめの車両です。
グリーン個室は珍しく埋まっていましたが、普通車のボックスシートはがらがら。席の主が現れたのは、自由席として使える佐賀以降でした。
有明海越しに、2日間親しんだ普賢岳の勇姿を望みつつ、週末旅行は幕を下ろしました。