Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

紫駅、開業

2010年03月28日 | ■旅と鉄道
 3月27日(土)、2年ぶりの西鉄ダイヤ改定が行われました。一昨年、福岡~大牟田間で1時間を切ったばかりの特急が再度スピードダウンしたり、都会っぽさを感じられた列車種別だった快速急行が急行に格下げ(両数減)されたりと、残念な話題もいくつか。
そんな中で輝いていたのは、なんといっても天神大牟田線18年ぶりの新駅・紫駅の開業です。当初は2008年春開業の予定でしたが、用地買収の遅れから開業延期になっており、当初予定から2年遅れでの開駅にこぎつけました。
 そしてこの紫駅は、「JR二日市駅前」ともいえる場所にある上、バスネットワーク上にも位置することから、駅周辺に留まらない広範囲からの利用を呼び込む駅となりそうです。期待の新駅、開業初日に訪ねてみました。

オートチャージSUGOCAを試す


 JR二日市駅からの近さを試すべく、まずはJR久留米駅から鹿児島本線の上り快速電車に乗り出発。22日に郵送されてきたJQカード紐付きのオートチャージSUGOCAを使い試してみました。
 郵送されてきた時点では0円の状態でしたが、久留米駅の改札を通過する際に「チャージしました」との音声が出て、初期設定通り3000円のチャージが完了。便利です。
 利用明細には、種別欄に「オート」と表示されていました。

JR~西鉄の徒歩連絡駅として見た紫駅


 JR二日市駅に到着。駅のパン屋・トランドールで朝食を済ませた後、駅前通りに歩き出しました。
①寺社風のJR二日市駅を出発
②駅前正面の道、筑紫野市上下水道部に向って歩き出します
③2分で天神交差点へ。ここで更に2分間、信号待ちです。
④飲み屋も数軒見える道を歩けば、6分で紫駅到着。切符を買う時間を含めても、両駅間は10分見れば充分でしょう。
 これまで二日市周辺でのJR~西鉄間徒歩連絡といえば、天拝山~朝倉街道間がよく使われていましたが、乗り換え距離は紫駅の方が100m短く、信号も少なくて便利に感じました。
 また天拝山は普通電車しか止まらず、鳥栖方面からは特急退避などで時間のかかる駅でもあります。一方のJR二日市駅では快速・特急も止まり、西鉄側も紫駅から1駅・西鉄二日市駅に上れば特急・急行と接続しており、時間的にも有利です。
 佐賀、鳥栖方面から大橋や平尾に行く時、あるいはJR沿線から太宰府に行く時などには、便利な乗り換えルートができました。
 惜しむらくは、運行頻度。朝倉街道から福岡方面では昼間、1時間に急行4本、特急に接続する普通2本の6本がありますが、紫駅では特急・急行に接続する普通のみ1時間に4本と、本数では少なくなっています。

バリアフリーに配慮された2つの駅舎


 さて、おろしたての新しい駅舎を見学してみましょう。
 開業初日にも関わらず、飾り付けが一切なく、当たり前のように営業しているのが逆に新鮮です。上り電車を待つ乗客も多く、初日から日常の駅機能を果たしているように感じました。
 上下線それぞれ2つの駅舎を持っており、それぞれの駅舎に駅員が詰める、一見井尻駅にも似たスタイル。井尻駅には上下線をつなぐこ線橋もありますが、紫駅は構内踏切すらなく、乗車の際には駅舎を間違えないよう要注意です。
 二日市方面駅舎の方がいくぶんコンパクトで、駅員在中時間も22時までと短め。駅前には、ロータリーと呼ぶにはあまりにも小さな車寄せが設けられていました。駐輪場では、料金機がnimoca対応になっています。


 一方の久留米方面駅舎は、観光協会からの「紫」の墨書が輝いていました。駅窓口の営業時間は、始発から終電まで。ホームからは広いスロープで結ばれており、一気に降りてくる乗客を淀みなくさばける構造です。ロータリーは、さらにこぶり。
 いずれの駅舎も最小限の設備・面積ですが、地面に近く、バリアフリー的には最高の施設。身軽な街乗り電車を体言した駅舎です。


 ホームは福岡方面が広く取られており、屋根も久留米方まで伸びていて、電車を待つ通勤客を受け入れられるよう配慮されています。下りホームは、幅も屋根も最小限。限りある敷地と予算で、苦心した跡がうかがえます。

バスとの乗り継ぎも便利に


 紫駅のもう一つの特徴は、駅前を走るバス路線があること。太宰府市・筑紫野市東部とJR・西鉄二日市両駅を結ぶバスが経由します。1時間に3本以上と、本数もある路線です。
 このバス、JR二日市駅を経由し、西鉄二日市駅が終点となる路線でしたが、JR二日市駅の手前で紫駅に停車することになりました。通勤時間帯は西鉄二日市駅まで行くより、こちらで乗り換えた方が確実なはずで、これも広範囲から利用される理由となるでしょう。

周辺への影響は?


 駅周辺もぐるり一回り。駅前の駐輪場は有料でしたが、南へ歩くと、これまた最小限な面積の無料駐輪場が設けられていました。少し歩いてもよければ無料というわけですが、キャパシティが少なく、早晩満車になってしまうのでは?と不安に。
 駅近くのオフィスビルは、早くも「紫駅前」を名乗っていました。


 駅東の坂道を上がれば、高校やマンションが並んでいます。高台にあるせいか、学生の活気というよりは、文京街の落ち着きがある界隈に感じました。
 大規模にブルドーザーが動き回るのは、西鉄の開発するシニア向けマンションの建設現場。紫駅の解説決定を伝えるニュースでは、周辺からの、
 「開発がやりたくて駅を作るのでは?」
 「街の雰囲気が壊れそう」
 との懸念も伝えられていたように記憶しており、そのような一面もあるようには感じました。


 今回のダイヤ改定では、例によって冊子型の有料時刻表(300円)と、ダイヤグラムになっている無料時刻表が配布されています。特に後者は西鉄名物ともいえる、一般の人には難解極まりないもので、ぜひ入手してみて下さい。

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