goo blog サービス終了のお知らせ 
Chang! Blog
福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです




 渓谷鉄道の名に恥じず、渡良瀬川の流れはつかず離れず。岩場で商用林としての利用が難しいためか、落葉樹がほとんどで、紅葉の時期はさぞかしと思う。まだ水気を含まない落葉が、列車の通過と共に踊る。

 神戸(こうど)を過ぎ、トンネルを抜ければ鉄橋を渡って、渡良瀬川は左岸に。このあたりまで来ると岩が花崗岩になり、白い岩場となる。通洞駅にはなぜか、貴重品の通勤型気動車・キハ35系が、整備された姿で保存されていた。博物館開設の計画でもあるのだろうか。

 どん詰まりの終着駅・間藤着。駅前に出てみれば、足元には氷、山の頂には雪。さらにきんとした寒さが、どんどん体温を奪っていく。行政区域上は栃木県日光市になり、日光市営バスが市内まで連絡する。せっかくの日光への裏ルート、行きは東武伊勢崎線+わ鐵+市営バス、帰路は東武日光線経由の回遊きっぷなんてできないものだろうか。

 折り返し列車に乗り込み、神戸(こうど)駅で下車。バスで10分の富弘美術館へと向った。土日であれば、ほとんどの列車にバスが接続しており、旧村部のバスとしては立派すぎるほど立派なダイヤだ。3連休というのに乗客が2人では、心もとない気もしたが。

 富弘美術館は、事故で手足の自由を奪われながらも、口に筆を加え表現を続ける画家・詩人の星野富弘さんの作品を展示したミュージアム。優しいタッチの草花の絵に、万物へ感謝する暖かい誌を添える。絶望的な状況でもその中で生きていく希望と、表現できる手段を持つ喜びを、一枚一枚から感じ取った。

 ヨコミゾマコト設計の建物は、幾つもの円を外接させた平面が、ユニークであり機能的。柱の存在を意識させない巧みさも持つ。ダム湖を見下ろす眺望も良く、自家製パンを口に運びながら、カフェで静かな湖面を眺めた。

 神戸駅に戻る。本当は、もう少し早い時間のバスで戻って、わ鐵直営の列車レストラン「清流」でランチするつもりだった。ところが、12月24日から1月14日までという、かなり長い冬休み中。3連休まで休むとは、商売っ気があるのかな? 東武のデラックスロマンスカーに乗ってのランチ、楽しんでみたかった。

 次の列車は、いすみ鉄道と同じ、初期のレールバスタイプ車両。ロングシートなのは仕方ないが、トイレがないのは困りもの。首をひねり渓谷美を楽しみつつ、25分の水沼駅で下車した。

 ここは温泉センター併設駅として、あまりに有名な駅。一時は休業しており、どうなることかと気を揉んだが、再開を果たしている。フリーきっぷを持っていれば、500円の入浴料が400円に。ほとんどの人は車での来訪ながら、鉄道利用者にはしっかりサービスしてくれる。

 露天の「かっぱ風呂」が工事で閉鎖されていたのは残念。お湯は浴槽から流れ出ているけど、少し塩素臭を感じた。ともかく、全国12駅の温泉駅のうち、ほっとゆだ、高畠、津南、藤崎宮前、阿蘇下田城ふれあい温泉と合わせ6駅目を制覇。ようやく半分で、全駅入湯への道はまだまだ通そうだ。

 食堂では「鹿焼肉」の舌代を見つけて、珍しいので飛びついてみた。脂身の少ない肉はあっさりしていて、なかなかいけた。

次へ
鉄道ジャーニーTOP

コメント ( 0 )




 6時半に早起きして、早朝の桐生駅へ。さすがは上州の空っ風、刺す様に痛む寒さだ。後から聞いたところによれば、この日の最低気温はマイナス6度だったとか。冬の北海道、東北、あるいは韓国に行くのであれば、それなりの備えをしてくるのだが、冬の北関東がここまで冷え込むとは、思ってもみなかった。震えつつ、駅まで行く。

 今日のターゲットは、ここ桐生と日光市間藤を結ぶ3セク鉄道「わたらせ渓谷鐵道(略称:わ鐵)」。高架下にあるわたらせ渓谷鉄道のアンテナショップが開いていたので、沿線ガイドをいくつか受け取る。これが後々、何かと役立った。1日乗車券1,800円なりは、JRみどりの窓口で販売。カードサイズで、財布にしまえて便利だ。

 高架駅にちょこんと止まるわ鐵の単行ディーゼルカーは、渋いマルーン1色に身をまとっていた。車内はクロスシートでトイレもあり、まずまず快適な旅を楽しめそうだ。早朝の下り列車とあって、乗客は僕を含め3人。定刻、列車はユラユラと駅を離れた。

 しばらくは両毛線上を走り、川を渡ってわ鐵へ。相老で東武とも接続、この列車の終点・大間々まではあっという間の15分だった。駅構内には、今はシーズンオフのトロッコ列車と、旧国鉄のジョイフルトレイン「サロンエクスプレス東京」を譲り受けた「サロン・ド・わたらせ」が留置されていて楽しい。乗れないのは、残念だが。

 ホームは古びていて、昔ながらの青地の看板を掲げた駅舎は、JRよりも国鉄の色を出している。夜にはイルミネーションが光るよう施してあるが、これは大間々に限ったことではなく、各駅とも輝いているようだ。次の列車は50分後。例によって沿線ガイドを取り出し、1時間程度と書かれている散策コースを歩いてみた。

 耳の切れるような寒さの中を駅裏に歩くと、現れたのが渡良瀬川の流れる渓谷。大間々はみどり市の中心部でそれなりの集落があるのに、そのすぐ裏手に渓谷があるとは、奥深い。切り立った岩壁も深い。岩場に沿って遊歩道があるが、トラス橋の「はねたき橋」が塗装改修工事中で通行止めとのことで一回りのコースは取れず、途中で引き返した。

 大間々の街中も、大多喜ほどではないが古い建築物が並んでいる。大間々博物館は、レンガ調のレトロな建物。醤油蔵は立派で、歴史を持ちつつも地域の中心として動いた町のようだ。

 後続列車は2両編成だったが、後部1両を切り離して出発。やはりガラガラだ。あまりの寒さに、レールバスの暖房の効きが悪い。

 次の上神梅駅は、古びた味わいのある木造駅舎。渓谷沿いを走りつつ くぐるトンネルも、レンガ造りで歴史を感じる。最近の わ鐵の話題といえば、これら一連の施設を一体で登録有形文化財に登録したことだ。

 登録有形文化財は、今までの文化財制度よりも「活用」に重きを置いた制度で、補助率は低い代わりに、改造に対する規制はゆるやか。「国の文化財」というお墨付きも得られるとあって、登録件数は増え続けている。路線まるごと文化財というのはユニークで、わ鐵でも沿線の歴史遺産も織り交ぜた文化財マップを作成、PRに努めている。

次へ
鉄道ジャーニーTOP

コメント ( 0 )




 大多喜からは本数も増え、始発の区間列車で大原へ。観光客の姿も消え、乗客はまばらだ。上総中川駅ではホームに2人の乗客の姿が…と思いきや、正体は案山子。洒落にもならない。

 外房線の線路と合流し、大原着。ホリデーパスの区間からは飛び出した駅なので、境界駅の茂原まで切符を別途購入。千葉行き普通電車は113系、それも10両の長い編成だったので、余裕で座れた。ぱっと見、九州の地方部と変わらない風景なのだが、さすがは首都圏、流動は多いようだ。

 千葉までは1時間半ほどの道のりなので、手持ちの本を取り出し読書タイム。これが209系のロングシートだったらと思うと、ぞっとしない。日ごろ本を読むようなまとまった時間は取れないが、あっという間に1冊を読み終えてしまった。成人式帰りの若者で賑わい始め、ネオンまばゆい千葉に到着。

 千葉からは総武快速線へ。快速線とはいえ、途中駅では特急の通過待ちがあって、緩行線に対して圧倒的に早いというレベルではなさそう。錦糸町で緩行線に乗り継ぎ、更に秋葉原で山手線に乗り換え上野へ。都内には戻ってきたものの、今夜は、明日乗る予定のわたらせ渓谷鉄道の始発駅、桐生まで出なければならないので、まだまだ長い道のりだ。

 桐生へは高崎経由の方が短いようだが、小山経由の方がホリデーパスの飛び出し区間が短いので、宇都宮線を選択。駅弁とビールを買い込み、750円也を投じてSuicaにグリーン券情報を書き込んだ。小山まで1時間少々、少しの贅沢だ。

 宇都宮線・快速ラピッドのグリーン車は、7時台とあって満席近い盛況。いくらグリーン車とはいっても、弁当を広げて浮きはしないかと思ったが、隣の親子連れのお母さんも車内販売でビールを買って空けており、なごやかな雰囲気。値下げされたとはいえグリーン券は安くないが、親子連れにとって逃げ場があるというのはいいことだ。

 1時間ばかりくつろぎのひと時を過ごし、小山で両毛線に乗り換え。オールロングシートの107系電車だったが、トイレ横に前向きの座席を見つけて、転がり込む。通勤電車のような車両で車窓も見えず、電車好きとはいえ、延々1時間以上乗り続けるのは苦痛だ。早く着いてほしい。
 思い扉をよいしょと開けて、桐生駅に降り立つ。単線上の駅なのに、立派な2面4線のホームを持つ高架駅だ。ただし駅も駅前もがらんとしており、きれいな駅前のイルミネーションが輝くのみ。早めに宿に入って、寝るのがよさそうだ。

次へ
鉄道ジャーニーTOP

コメント ( 0 )




 駅前で蕎麦をすすり、渓谷ハイキングに出発。五井駅ホームに置かれてあった観光案内に示されている、養老渓谷一周・1時間40分コースが手ごろそうだ。ただ距離を見れば7kmとあり、1時間4kmと山道としては早いペース。次の列車に間に合うよう、少し足早に歩みを進める。列車の旅はのんびりしていそうだが、特にローカル線では時間の束縛を受けてしまう。

 季節はずれのキャンプ場を抜ければ、きれいなせせらぎに。少し道に迷いつつも、舗装された林道をしばらく歩けば、渓谷に出た。斜めに縞の入った岩場が、独特の景観を作っている。水は川底が見えるほどの透明度だが、泡が浮いているのは少し気になった。

 ぐるりと、休憩なしで一回りして1時間半。休みつつ、景勝地での時間を取ろうと思えば、2時間半は欲しいコースだった。欲を言えば3時間取って、養老渓谷温泉で一浴びしたいところである。

 代わりといってはなんだが、疲れた足を癒すのに嬉しいのが、駅の足湯。列車の切符を持っていれば、無料で浸かれる。ホームを見ながらの足湯は、鉄っちゃんにも嬉しい癒しの時間だ。せっかくの温泉、できれば、全身浸かりたいものだとは思った。

 わずか1日5本の中野行き列車を待つ人は多く、賑わいを載せて残り一区間の列車が出発。1駅間とはいえ4km以上あり、トンネルから谷へと変化に富んだ車窓だ。

 いすみ鉄道と出会う終点・上総中野は、ターミナル駅という気負いとは無縁の、最小限の無人駅。連休中とあって上下方向とも列車を乗り継ぐ人は多く、列車にカメラを向ける人で賑わいが生まれた。接続時間は18分。以前は、相互の乗り継ぎはほとんど考慮されていなかったという両鉄道だが、今は乗り継ぎ時刻表も掲示されるなど、連携が取られるようになってきたようだ。

 いすみ鉄道は、旧国鉄木原線を受け継いだ第三セクター鉄道で、発足から22年。車両は発足当初からのレールバスタイプで、他社では老朽取替えの対象にされるような車両だ。車内外には「ムーミン」のラッピングが施され、大好きなキャラクターだけに楽しい。

 やはりロングシートをほど良く埋めて、中野を発車。うちらうつらしているうちに、沿線最大の街で、い鉄本社もある大多喜に着いたので、途中下車してみた。

 売店では、「い鉄揚げ」なるオリジナル菓子を売っていて、試食してみたらうまかったので、3袋1セットを売り上げ貢献。「ぬれ煎餅」で再起をかける銚子電鉄を連想させる。キャラクター列車といい、他の鉄道会社での成功例を、貪欲に取り入れているようで、頑張る姿勢は好ましく思う。

 実はい鉄、年間当たり億単位の赤字を出しており、存廃の岐路に立たされている会社でもある。とにかく、やれることはやってみようという、背水の陣とも言える状況のようだ。い鉄揚げについて言えば、お土産にするにはちょっと安っぽいのが遺憾。銚子電鉄のぬれ煎餅は、個別放送で職場のお土産には最適だった。い鉄揚げも職場での反応がよかったし、包装を変えるだけでもぐっとお土産向きになりそう。

 大多喜は、大多喜城のおひざもとだった城下町。駅前から1本入った街中にも、昔ながらの建物が残っている。かなり「歯抜け」になっている上、木造で建替えられた建物も駐車場を確保するためセットバックしているものが多く、軒の連続感がないのは残念。それでも住宅や酒蔵など、古いながらも手を入れられ、きれいに使われている建物が多いのは良かった。中でも登録有形文化財の大屋旅館は、いつか泊まってみたい。

次へ
鉄道ジャーニーTOP

コメント ( 0 )




 明けて東京での朝。新郎と朝食を食べた後は、一人旅のスタートだ。東西線で大手町まで出て、東京駅のコインロッカーにスーツと引き出物を預け、まずは身軽に。自動券売機で、ホリデーパス2300円なりを購入した。関東一円のJR線とモノレール、りんかい線で利用できる、関東近郊の気軽な日帰り旅には欠かせない切符だ。青春18きっぷと違って、料金券を買い足せば優等列車も利用できるのがミソ。

 総武線地下ホームへと降り、総武快速線のE217系快速電車で、千葉へ。狭いボックスシートに耐えること40分、千葉で内房線に乗り換えた。

 房総半島の普通電車といえば、紺とクリームのツートンカラーに身をまとった113系の活躍舞台だったが、京浜東北線を追われた209系が大挙移籍。5両編成のうち前後の1両はクロスシートに改造されているものの、「延々と続く通勤」的な旅に変貌してしまった。もっとも千葉近郊は総武線の続きといった都市景観で、209系の方がむしろお似合いかもしれない。

 千葉から約20分の五井駅で、接続する小湊鉄道に乗り換え。小湊鉄道乗り場は改札内でつながっているので、ここまでSuicaで来た人は、こ線橋上の簡易リーダーにタッチする。小湊鉄道の切符売り場は、こ線橋から降りる階段の下にあり、存在に気付きにくい。

 手にしたのは、「房総半島横断乗車券」。上総中野でいすみ鉄道に乗り継ぎ、房総半島の反対側の五井まで乗れる、片道乗車券だ。通常運賃2,070円が1,600円になる上、途中下車自由というのも嬉しいポイント。片道券でありフリー券ではないので後戻りはできないが、うまく使えば沿線観光にはもってこいである。ただし上総中野まで入る列車は1日5本に過ぎず、駅員さんからは、
 「列車が少ないですが、大丈夫ですか?」
 と念を押された。

 ホームに待っていたのは、キハ200形気動車。国鉄のキハ20系列に似た、JRではほとんど見られなくなったタイプの気動車だ。塗装も時代を追うことなく、昔ながらのオレンジ系のツートンカラーでまとめられている。今の小湊鉄道で活躍する車両は、これがすべて。今の日本で、それも東京からほど近い場所でこんな車両が活躍しているとは、奇蹟のようだ。

 しかも驚いたことに、鞄を携えた女性車掌が乗務。ドアの開閉と、切符の販売に当たっている。時代離れとは、まさにこのこと。ハイキング客と地元の人でほどよく賑わう車内も、好ましい。唯一残念なのはオールロングシートであることで、トイレ付き、ボックスシートなら旅気分もひときわと思う。

 五井を離れた列車は、エンジン音を轟かせて広い平野に飛び出す。途中駅も、昔ながらの木造駅舎ばかり。ホームのひなびた雰囲気もいい。

 のんびりした汽車旅を楽しむ乗客とは対照的に、車掌は忙しい。JRから乗り換えた人の多くは切符を持っていない上、企画きっぷの説明を行ったり、Suicaタッチをしなかった人には不使用証明と始発駅からの運賃を収受したりと、大わらわだ。駅間距離は短く、せわしく車掌室に戻りドア扱いもせねばならない。もう少し、五井のホーム切符売り場の存在を目立たせないと、遅れの原因にもなりそうだ。

 区間列車の折り返し駅、上総牛久からはぐっと減るかと思われた乗客も、ハイキング客中心なのでさほど減らない。少しずつ勾配が急になり、トンネルも現れ始めれば、渓谷観光への入り口・養老渓谷駅に到着した。

次へ
鉄道ジャーニーTOP

コメント ( 0 )




 式場のホテルは皇居に隣接する竹橋にあるので、丸の内から皇居の中を通って行ってみた。全国各地に足を伸ばしている僕だけど、東京の名所らしい名所にはあまり行っておらず、皇居も初めて。

 豊かな緑と石垣は、大都会の中にあってエアポケットのような存在で、観光客は外国の方が多そう。江戸城から続く石垣や門のたたずまいもよかったが、落ち葉の降り積もる雑木林も、背後の高層ビル街とのコントラストが際立っていた。

 気付けば昼1時前。東京に行ったら必ず蕎麦を食べることにしており、毎日新聞地下の蕎麦屋で「せいろ」を昼ごはんにした。うどん文化圏の九州では、おいしい蕎麦になかなかありつけず、あってもかなり高い。

 3段に積まれた「せいろ」だったが、目の前にしたのは初めてで、恥ずかしながら店員さんにどう食べるのが正解か聞いてみたところ、
 「お客様の食べやすいように食べていただければいいんですが、たいていのお客様は…」
 と前置きした上で、丁寧に教えてくれた。お客様に恥をかかせぬよう…といった配慮が行き届いていて、さすがは競争の激しい都心の店と思う。

 一旦ホテルにチェックインしたが、開宴まではまだ2時間余り。思い立って、地下鉄で霞ヶ関に行ってみた。国会議事堂から官庁街を、ぐるりと一回り。仕事でこの街に来るほど偉くはなれそうもないけど、僕らの生活や仕事を動かす国の中枢を、一度見ておきたかったのだ。

 議事堂は会期外にも関わらず、周囲が警備でものものしい。霞ヶ関の官庁街は、さすが土曜日でもほとんどの建物に明かりが付き、仕事の真っ最中のようだ。特に財務省は、全部の窓にと思えるほど人の気配がして、週末とは単に正門が閉まっているだけ…といった風情だった。

 旧文部省のビルが異彩を放つのは、文部科学省や会計検査院が入る霞が関コモンゲート。歴史的建築物で、登録有形文化財にもなっている旧文部省ビルを前面に、民間ビルのようにフワリと軽い感覚の超高層ビルがそびえ建つ。新たな東京中央郵便局も、こんな感覚になるのかなと思う。

 メトロを乗り継ぎ、ホテルへ。4時からの式はこじんまりした、しかし背景に東京タワーや国会議事堂のライトアップを望む素晴らしい景観。日韓カップルということで、2ヶ国語でスピーチしたけれども、緊張のあまり台詞が飛んだり、助詞を間違えたりして散々な結果だった。でも、幸せを願う気持ちは届いたかな? お幸せに!

次へ
鉄道ジャーニーTOP

コメント ( 0 )




 久しぶりに乗る、通勤ラッシュの西鉄電車。1年前、西鉄通勤していた頃を思い出し、相当な混雑を覚悟していたが、土曜とあって肩が触れ合うこともない混雑だった。地下鉄に乗り継げば、1時間で福岡空港へ。3連休の初日とあって、不況もどこ吹く風。搭乗待ちの列で賑わっている。

 混雑するチェックインカウンターを素通りし、ケータイをタッチして保安検査場へ。ANAで行われているICカード搭乗システムを活用すれば、こんな芸当も可能だ。新幹線にもこれに近いスマートさを誇る「EX-IC」サービスがあるものの、年会費が必要なこともあって、なかなか利用に踏み出せないでいる。

 9時半発の東京行き・トリプルセブンに搭乗、「第2国土軸」上を順調に飛行する。今日は冬晴れの素晴らしい快晴で、気流も安定していてほとんど揺れない。車窓からは、知多半島とセントレアや、雪を頂いた富士山まではっきりと見渡すことができた。こんなフライトばかりなら、飛行機でもいいと思う。

 羽田では、格安航空会社が使うような、ターミナルから遠く離れたスポットに到着。延々と長い「動く歩道」に閉口しつつ、第2ターミナルにたどり着いた。

 Suicaのチャージを終え、モノレールで都心へ。京急が入り便利になった羽田アクセスだが、モノレールも追い抜き設備の建設、快速増発、そして僕も手にしている500円なりの「モノレール&山手線きっぷ」で精一杯、対抗している。

 モノレールといえば乗るまでに階段ばかりで、乗ってみればさほど早くないイメージがあるが、東京モノレールは低重心を生かして、なかなかの俊足。運転本数も多いし、なにより快速系電車が過半を占めると合って、一般的な私鉄に近いイメージのするモノレールである。ノンストップの空港快速、あるいは途中駅で追い抜かれる各停に乗ってみたいのだが、なぜか僕の前にはいつも区間快速が現れ、待つことなく乗ってしまう。

 東海道新幹線や山手線を見下ろす、ワクワクするような車窓を眺めつつ、浜松町駅到着。山手線で東京駅へ出て、丸の内側へ出てきた。大好きな建物だった駅前の東京中央郵便局は、再開発のため再生工事の真っ最中。今までの建物を生かした姿になるとはいえ、一部が取り壊された姿は痛々しい。某大物政治家が工事中止を命じかけ話題にはなったが、そういうことは計画段階で言ってくれなければ、止められるものも止められない。

 一方の東京駅も、竣工当時の3階建て駅舎に復元する工事が進行中。木に竹を接いだような、妙な姿にならないことを祈るばかりだ。数年後の丸の内は、大きく姿を変えそう。よい物になるか否か、怖いもの見たさの心境ではあるけれど…

次へ
鉄道ジャーニーTOP

コメント ( 0 )




 昨年の11月から、1ヶ月毎に続いている、遠方での結婚式。年が明けて1月には、都内で、韓国留学仲間の挙式がある。

 出費多々の折。毎年恒例の越年旅行は控え、今回の東京行きもマイレージ利用で節約した。その分、行った先の関東では、めいっぱい鉄道の旅を楽しみたい! というわけで、式の後の日曜・祝日は、関東のローカル私鉄を巡るプランを立てた。なかなか東京近郊を旅する機会がなく、楽しみだ。

 1月9日土曜日、朝7時半。まずは花畑駅から、西鉄電車で天神へと上った。

次へ
鉄道ジャーニーTOP

コメント ( 0 )




 羽田空港への玄関になり、一躍全国区の街になった蒲田だが、アーケード街のある庶民的な街。ネックになっていた京急蒲田駅の工事もだいぶ進捗したようで、面目を一新する日も近い。

 蒲田~空港間の線内列車なのに都営地下鉄の車両を使っている、妙な各停に乗って羽田空港へ。今回は値段もさることながら、コンセプチュアルなデザインが気になっていた北九州の翼・スターフライヤーで九州へ戻る。早割りなら15,000円を切る値段になり、前泊のカプセル代を考えてもお得だ。前日の便も早めに買えば安かったのだが、早々と満席になってしまい、新幹線も「のぞみ早得」の発売日を前に、満席になっていた。

 スターフライヤーのカウンターは、広いターミナルビルの端も端にあり、搭乗口はさらに歩いた1番。新参航空会社の悲哀かもしれないが、気分がいい点も一つ。朝のラッシュで、長蛇の列ができている他の審査場ではなく、カウンター目の前の専用審査場を利用できるのだ。ファーストクラスにでも乗る気分ではないか。お陰で、有料ラウンジでゆっくり朝食をとり、新聞を読む時間もできた。

 いよいよ搭乗。噂通りの黒い機体に入ると、同じく黒い革張りのシートがずらりと並んでいる。「かもめ」のシートに比べると薄く固いが、しっかりと体を包み込んでくれて、長時間座っていても疲れを感じなさそうだ。枕部分も上下できて、座高の高い僕でも首がふらつかない。

 そしてシートピッチが広いのが、何よりのウリ。JRとは比較にならないものの、既存格安航空会社はもちろん、大手をはるかにしのぐゆとりがある。素晴らしい、これなら福岡市近郊の人でも、固定客がついているんじゃないかしら。

 定刻に滑走路に踏み出し、離陸。旋回していると、真下で次の便はすでに離陸しており、羽田の過密ぶりを物語る。晴れ渡る関東平野を見下ろしていると、ほどなく水平飛行に。各席に設置されたテレビはタッチパネル式で多彩なチャンネルを楽しめ、飛行位置を見ている人が多かった。

 この種の設備は活用されることが少ないが、やはりあれば退屈しのぎになる。地元TVQ(テレビ東京系)の経済番組「九州けいざいNOW」もチャンネルに入っており、地元経済の1週間も復習できた。

 やや時間を置いて、機内サービス。ブランド名を前面に押し出してサービスしているのがユニークで、タリーズコーヒーをオーダーしたら、森永チョコ「カレ・ド・ショコラ」が付いてきた。いずれも黒基調のシャレたパッケージで、チョコはお土産にしたくなる。

 鉄道ファン、飛行機嫌いの僕だけど、この会社に関しては「ファン」を自認してしまいたくなる…そこまで感じた。

 とはいえ飛行機は飛行機、近畿地方にかかると天候不順のため、機体が揺れ始めた。安全とは分かっていても精神衛生上はよろしくなく、チャンネルをお笑いに変えて、気を紛らわす。周防灘が見えてくれば、海上空港の北九州空港に着陸。久留米から北九州空港まで若干距離があるが、機会を見つけてまた利用したいものである。

 2006年の開港当初は周辺になにもなかった北九州空港だが、今も大して変わりはなく、経営の心配をしてしまう。そんな島内で「東横イン」は目立つ存在で、シングル3,300円と激安。北九州空港の特徴の一つである深夜・早朝便に乗るときは、使えるかも。

 折尾・若松方面のエアポートバスから、久留米行き高速バスへ千代ニュータウンで乗り継ぎ、お昼には帰宅。乗り継ぎ時間は40分近くあったが、一旦小倉まで出て特急や高速バスに乗り継ぐより早い。エアポートバスは北九州市営でnimocaが使えず、よって乗り継ぎ割引も適用されなかった。バスによって運賃が変わってしまい混乱のもとだが、仕方ないか。

 東京から、そして旅から帰ってほぼそのまま出勤というのも、なかなか辛かった。
鉄道ジャーニーTOP


コメント ( 0 )




 上野駅に向かうと、ちょうど札幌行き寝台特急「北斗星」の入線時間。僕は2度の乗車を果たしているが、沼津の親子にとっては憧れの列車の一つ。旅情を掻き立てられるのは僕も同じで、後のことなどすべて忘れて飛び乗りたい衝動に駆られる。現代に残った数少ない正統派ブルートレインで、末永く活躍してくれることを願う。

 特急乗り比べのラスト2本は、常磐特急「フレッシュひたち」で柏まで往復。同じ「フレッシュ」だが、往路の土浦行きは「スーパーひたち」型の651系電車だ。真っ白な車体は褪せることなく、スマートな姿で出迎えてくれた。

 車内はリニューアルが施されているものの、基本的な部分は登場時のまま。JR特急としては九州の783系に続く89年デビューで、もう20年選手になるのに、きわめてよくデザインされた電車だということが分かる。783系では細かな部分に「ごつさ」が見られ、この時点では東日本のデザイン力が勝っていたのかなと思う。

 座席の座り心地もゆったり、重厚。グリーン車に至っては大柄な3列シートで、東日本の在来線特急では「異例」といえる。土浦まで50分のショートランナーにはもったいない感じで、いつか上野から仙台まで乗りとおしてみたい。

 「ライナー」的性格の列車だが、走りも特急としてはもどかしく、快速に前後を押さえられ、思うように走れない。スピードが乗り始めた頃には、もう柏に到着。反対ホームに移り、もう一つの「ひたち」を待つ。

 上り列車は元来の「フレッシュ」型・E653系の運用で、通勤特急としての送り込みを考慮してか、14両もの長編成。上りといえどもそこそこ混んでいるのだから、さすがは首都圏である。

 車内はビビットな色使いやロゴが目立ち、1997年登場のこの車両から、今も続くJR東日本特急のトレンドを形作った車両といえそう。特に黄色い枕カバーが印象的で、これがなければ車内の華やかさも一段、トーンダウンすることだろう。

 シートピッチは910mm。座席を薄くすることで、国鉄車両並みでも居住性を向上させた…との触れ込みだったが、やはり狭い。回転させればなおさらで、定員確保が主眼に置かれた車両である。

 足はさすがに早く、余裕ある上り線を軽やかに駆けていく。下りの24分に比べ、上りはわずか19分で上野まで走破。あっという間の2都市間だった。

 さて、雄介君も明日は学校。9時前とあらば、もう沼津へ帰る時間だ。東京駅まで出るのに、何も山手線で行く必要はなし。パスの「使い納め」に、上野から東京までMax1階席の旅を楽しんだ。東海道新幹線ホームで「こだま」を見送れば、「鉄分」満載の僕らの一日が終わった。

 僕は明日の午前中まで年休を貰っており、明日の1番機のフライトに備え、蒲田のカプセルホテルを予約している。広い湯船に浸かり、ぐっすりと眠った。
つづく
鉄道ジャーニーTOP

コメント ( 0 )


« 前ページ 記事一覧画像一覧読者一覧フォトチャンネル一覧 次ページ »