Chang! Blog

福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです

関東ローカル私鉄めぐり[3-2]渓谷と誌と湯に癒される

2010年01月11日 |  □鉄道ジャーニーBlog編
 渓谷鉄道の名に恥じず、渡良瀬川の流れはつかず離れず。岩場で商用林としての利用が難しいためか、落葉樹がほとんどで、紅葉の時期はさぞかしと思う。まだ水気を含まない落葉が、列車の通過と共に踊る。

 神戸(こうど)を過ぎ、トンネルを抜ければ鉄橋を渡って、渡良瀬川は左岸に。このあたりまで来ると岩が花崗岩になり、白い岩場となる。通洞駅にはなぜか、貴重品の通勤型気動車・キハ35系が、整備された姿で保存されていた。博物館開設の計画でもあるのだろうか。

 どん詰まりの終着駅・間藤着。駅前に出てみれば、足元には氷、山の頂には雪。さらにきんとした寒さが、どんどん体温を奪っていく。行政区域上は栃木県日光市になり、日光市営バスが市内まで連絡する。せっかくの日光への裏ルート、行きは東武伊勢崎線+わ鐵+市営バス、帰路は東武日光線経由の回遊きっぷなんてできないものだろうか。

 折り返し列車に乗り込み、神戸(こうど)駅で下車。バスで10分の富弘美術館へと向った。土日であれば、ほとんどの列車にバスが接続しており、旧村部のバスとしては立派すぎるほど立派なダイヤだ。3連休というのに乗客が2人では、心もとない気もしたが。

 富弘美術館は、事故で手足の自由を奪われながらも、口に筆を加え表現を続ける画家・詩人の星野富弘さんの作品を展示したミュージアム。優しいタッチの草花の絵に、万物へ感謝する暖かい誌を添える。絶望的な状況でもその中で生きていく希望と、表現できる手段を持つ喜びを、一枚一枚から感じ取った。

 ヨコミゾマコト設計の建物は、幾つもの円を外接させた平面が、ユニークであり機能的。柱の存在を意識させない巧みさも持つ。ダム湖を見下ろす眺望も良く、自家製パンを口に運びながら、カフェで静かな湖面を眺めた。

 神戸駅に戻る。本当は、もう少し早い時間のバスで戻って、わ鐵直営の列車レストラン「清流」でランチするつもりだった。ところが、12月24日から1月14日までという、かなり長い冬休み中。3連休まで休むとは、商売っ気があるのかな? 東武のデラックスロマンスカーに乗ってのランチ、楽しんでみたかった。

 次の列車は、いすみ鉄道と同じ、初期のレールバスタイプ車両。ロングシートなのは仕方ないが、トイレがないのは困りもの。首をひねり渓谷美を楽しみつつ、25分の水沼駅で下車した。

 ここは温泉センター併設駅として、あまりに有名な駅。一時は休業しており、どうなることかと気を揉んだが、再開を果たしている。フリーきっぷを持っていれば、500円の入浴料が400円に。ほとんどの人は車での来訪ながら、鉄道利用者にはしっかりサービスしてくれる。

 露天の「かっぱ風呂」が工事で閉鎖されていたのは残念。お湯は浴槽から流れ出ているけど、少し塩素臭を感じた。ともかく、全国12駅の温泉駅のうち、ほっとゆだ、高畠、津南、藤崎宮前、阿蘇下田城ふれあい温泉と合わせ6駅目を制覇。ようやく半分で、全駅入湯への道はまだまだ通そうだ。

 食堂では「鹿焼肉」の舌代を見つけて、珍しいので飛びついてみた。脂身の少ない肉はあっさりしていて、なかなかいけた。

次へ
鉄道ジャーニーTOP

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。