教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

地方教育会の機関誌

2005年06月13日 21時13分02秒 | Weblog
 私の現在の研究テーマは、大日本教育会・帝国教育会という、戦前日本の中央教育会における教育研究活動の歴史の解明です。ただ、各道府県市郡にあった地方教育会にも非常に興味があります。府県規模の地方教育会はだいたい機関誌を持っていて、当時の当該地方の教育情報がたくさん載っています。機関誌・号によって、内容の質に差がありますが、地方教育史を進めるには非常に重要な資料となります。多くの各府県の公立図書館で集めていますが、まだ埋もれている機関誌も多くあります。紙質がよくなくて劣化が激しいことが多く、そもそも雑誌なので捨てられやすいという条件もあってか、あまり残らないという性質もあります。そんな資料なので、ときどき古本屋に売られているものを見ると、高額でない限り買い上げて救出(笑)するようにしています。やはり昭和期のものが多いですね。少しずつ集めていると、今ではいつのまにかかなりの部数を自蔵するようになりました(半分ぐらいしか整理してないけど←オイ!)。いつかこれらを自在に使って「日本教育会史」なんていうような研究を進められるようになるといいのですがね… 今は時間も能力も足りませんが。
 で、今日は注文していた岡山県教育会の機関誌『備作教育』(昭和期のもの)を受けとりました。これはめちゃくちゃ安かったので、「日本の古本屋」で見つけた瞬間に注文しました。地方教育会の機関誌は、この数年の経験で言うと、古本屋で1号につきだいたい1,500円から5,000円ぐらいで売られています。だいたい3,000円程度が多く、保存状態や頁数などによって前後します。ちなみに、1号につき4,000円超えると買う気がしません(←オイ!)。ちなみに今日受けとった『備作教育』はもっと安かった。よしよし!
 なんだか俺、教育会機関誌のコレクターだね。

 私は現在、学術振興会特別研究員をさせてもらっており、毎月いくらかお金をもらえるのですが、このお金は生活費も含む「研究助成金」という名目なのです。なので、研究に使わなくてはなるまいと、毎月できるだけこういった資料や研究書の購入に使っている、というわけ。
 まあ、機関誌にとって一番いいのは、所蔵者が公立図書館に寄贈して、公立図書館がしっかり保存してくださることなのですが。しかし、公立図書館でさえも、ところによっては、使用頻度の低い古い物から順に捨てていくことがあるらしい…(関係者談) すこし恐ろしい。教育会機関誌は、地方教育史研究の貴重な資料ですから!もちろん、金銭的価値があるわけではないので、古本屋に売っても安いもの。
 みなさん、家にぼろぼろの雑誌があっても、捨てないで、近くの図書館とか大学に寄贈してくださいね。
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
やっぱそうですかねぇ… (白石)
2005-06-14 15:43:09
 私ならいつでも受け入れますので、お気軽にお申し出ください。
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図書館とか大学 (休呆)
2005-06-14 11:29:19
 そんなところに寄贈してもだめ。まもなく廃棄される。古雑誌は廃品回収か白石教育会誌研究所へ。
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