教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

戦後教育史研究

2016年07月17日 17時07分38秒 | 教育研究メモ

 ごぶさたしております。いつものように多忙のため書き込み休止状態が続いております。昨日今日は研究会のため東京におりますが、今から帰ります。そして明日は、オープンキャンパスで朝から出勤です。

 さて、教育史教育や教育史研究の活用のことを考えると、ますます戦後教育史研究の必要性を感じています。私はまだやりたいことがあるので本格的には取り組めませんが、教材研究という意味でちょっとずつ取り組んでいきたいです。

 そんな立場から見ると、次の本はなかなか便利です。まだ読み込み途中ですし、すべての記述に満足しているわけではありませんが。

・日本児童教育振興財団編『学校教育の戦後70年史』小学館、2016年。

 学習指導要領等の改訂作業が進んでいる中、中教審の教育課程企画特別部会「論点整理」が示している通り、「戦後70年史」は極めて重要になってきました。明治の学制(1872年)から学校教育法(1947年)まで約70年、学校教育法から学制改革が検討されている今(2016年)まで約70年。学校教育法ほどのインパクトあるものになるかならないかはわかりませんが、学制改革を進めるなら、戦後70年の教育史を詳細に検討した上で総括し、今後の展望を見つけていく必要があります。それは指導要領における経験主義と系統主義とのゆらぎとか、社会情勢から演繹的に教育を説明するとか、公権力対教組とか、前の学習指導要領がどうとかいうような近視眼的・単純な論じ方ではないところから実現するでしょう。

 実証的な戦後教育史研究をより進める必要があります。戦後教育は、もう70年も時は経ってしまったのですから。もう戦後ではない、という歴史認識をもっとしっかり作っていく必要があります。そうでないと、教育史は今と対話できないままです。歴史は人が作ります。人の姿が見えない教育史叙述では十分ではありません。

 まずは勉強。その時間がもっと欲しい。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 教育学としての教育史と近接... | トップ | かかえている仕事の整理 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

教育研究メモ」カテゴリの最新記事