教育史研究と邦楽作曲の生活

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【6/26午後】三原沼田家文書 幕末明治期 広島の漢学者の書 資料展示会のご案内

2024年06月24日 23時55分00秒 | 教育研究メモ


 すでに広島大学教育学部HPでお知らせしていただいておりますが、下記の日程で、広島大学教育学部A515教室(教育学第二資料室)で、三原沼田家文書所収予定の資料展示会を行います。幕末明治期に活躍した広島ゆかりの漢学者の書を展示します。
 日本教育史の資料を直接目にできる貴重な機会なので、興味のある方はぜひご来場ください。

日時: 2024年6月26日(水) 13:10~18:30
会場: 教育学部A515 教育学第二資料室
主催: 日本東洋教育史研究室
担当: 広島大学大学院人間社会科学研究科教育学プログラム准教授 白石崇人

 三原沼田家文書とは、2022年まで三原市にあった沼田實(1889-1976、元愛媛県中等学校長・私立広島女子商高等学校長・三原市教育委員長)の私邸にあった大規模な資料群です。實や三原小学校初代校長の沼田良蔵(1849-1913、實の実父、香雪と号す)の収集したものが中心で、明治・大正・昭和期の教育史にかかわる資料がたくさん含まれています。
 三原沼田家文書は2022年に広島県立文書館に大部分が寄贈されましたが、このたび、遺族が別に保管していた表装済みの掛け軸が、本年7月頃までに同館に追加寄贈されることになりました(白石が仲介しています)。同館に寄贈されると気軽に閲覧することはできなくなるため、この際、研究のためいったん公開させてもらえないかと遺族にお願いしたところ、公開を快諾してくださったため、資料展示会を開くことにしました。

 今回展示する予定のものは、沼田竹渓、宇都宮龍山、吉村斐山、西山復軒、菅茶山、頼山陽、坂谷朗蘆の書などです。いずれも、知る人ぞ知る高名な学者たちであり、たくさんの弟子を育てて幕末明治期の教育史に足跡を刻んだ人々です。この機会にぜひご覧ください。
 展示終了後は、7月半ばを目途に広島県立文書館に寄贈手続きを行います。ほかの沼田家文書も同様ですが、閲覧利用は可能だということですので、よろしくお願いします。

参考文献
・白石崇人「沼田良蔵・實文書について―幕末三原の漢学者から明治大正昭和公立学校長への転身」広島文教大学編『広島文教大学紀要』第56巻、2021年12月、1~14頁。
・白石崇人・井上快「沼田家文書にみる漢学知と近代教育の展開―日本東洋教育史の一断章」中国四国教育学会編『教育学研究紀要』第68巻、2023年3月、306~317頁。

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