老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

年寄りは買い物難民に? 

2019年07月04日 20時18分23秒 | 高齢化社会での生活・終括・社会保障など
 今日の新聞報道では、セブンイレブンが7月より導入したスマホ決済の「7pay(セブンペイ)」で不正利用があって、利用者から「身に覚えのない利用があった」との問い合わせがあり、被害が確認されたとして使用停止措置が報じられていますが、時を同じくファミリーマートでも「ファミペイ」というスマホ決済が導入されています。

 驚くのは、このような現金を使用しない決済方法の普及の速さで、既に中国や西欧諸国では現金決済が極めて少数派になってしまい、殆どがカードやスマホなどの非現金での決済が主流となってしまっているという事が報じられています。


 日本でも、既に多くのネット販売が浸透しているだけでなく、スーパーなどでもカード決済が主流になりつつありますし、現金決済の場合も自分で支払い機に直接お金を投入する方式が普及しています。

 働き手の不足解消の為には、ある程度は必要だと判っていても、今後の進展を色々と心配される高齢者が結構おられます。


 勿論、高齢者にも色々なタイプがあり、カ-ド決済に何の抵抗もない人もいるでしょうが、次のような問題を抱える人が決して少なくないと思います。

◆カード決済などに対する抵抗感
・支払いの為のカードを持たないという人や、例え万一の為に持っていても、日常の買い物などにはカードは遣いたくないという人が結構多いのです。

・その最大の原因はカード決済に対する不信感或いは不安でしょう。
私なども、カード使用に対する絶対的な信頼は無く、カードは通常は自宅で大事に保管しており、大きな信頼できる店舗でのある程度高額な買い物時や、旅行時の万一の場合の支出だけに使用しており、日常の買い物などでカード決済をすることはまずありません。

・日常の買い物で使用するとなると、カード管理や、暗証番号などが大変ですし、何といっても個人情報の漏洩の危険性は増える可能性があると思うからです。

・従って、どうしてもカード決済でしか対応できないとすれば、紛失/悪用だけでなく、個人情報の漏洩など考えられるすべての危険性に対する充分なカバーが担保されることが必要になるでしょう。
(安全性確保のためか、スマホ決済では事前のチャージが必要になっているケースが多いようですが、これに関しては後述します。)


◆現金支払いのメリット
 カード決済普及の大きな要因として、現金持ち歩きの危険性を説明される方がおられますが、逆に現金決済ならではのメリットもあると思います。

・特に、日本では昔からある程度の節約精神があり、余分なものまで買わないという、市民生活の知恵と言うか自己防衛策があり、これには毎月の家計予算に基づいた支出がコントロールし易い現金決済が向いているのではと思われます。

・ましてや、少子高齢化社会の到来で、年金での生活が苦しくなるという将来に向けて、慎ましやかに生活する意味でも、現金支払いは自分の生活防衛のための最も確実な対応策となるでしょう。

◆認知症などになった場合
 ツレアイがアルツハイマーを患っているので良く判りますが、認知症の人の多くは下記の事が非常に難しくなります。
・金銭管理の能力の低下により、スーパーなどで現金支払機を利用しての支払いや、デビットカードへのチャージ
・記憶力や対応能力の低下により、暗証番号の管理や、デビットカードの場合の残金管理
・更に、物忘れによる各種カードの管理

 結局このようなことを考えると、ある程度認知症が進行した段階では、自力でのカード決済は極めて難しくて且つリスクを伴う事になり、誰かのアシストが必要となるのではないでしょうか。

 また、現在ではこのような問題は無いと思っている人でも、いつ何時このような認知症の症候を見せないとも限らないのです。


 こういう事を考えれば、現在でも問題になっている“買い物難民”の多くは、過疎化や大型店舗の進出で近くの店舗の減少や、更に店舗への移動手段の問題が主だったのですが、今後カード決済の普及が進めばこれに対応しきれない新たな“買い物難民”の創出をもたらす危惧が非常に大きいです。 

 さらに、これに伴って健康維持や社会との関わり維持という側面もあった買い物外出も控えるようになり、高齢者の体力/精神両面への悪影響も懸念されることでしょう。(まさ)