老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
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韓国への半導体素材などの輸出規制問題  その①  ~経過~

2019年07月05日 19時51分34秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 先日のTVと新聞を見て驚きましたね。
何と、我が国が隣国の韓国に対して先進工業製品の心臓部とも言われる半導体製造に必要な素材などの輸出規制に踏み切ったということでしたが、早速昨日から実行されたようです。

 トランプ大統領と波長が合うらしい安倍首相が、イヨイヨ行動面でもトランプ氏の物まねかと思いました。


 まず、この問題の経過を纏めておきたいと思いますが、毎日新聞や日経新聞によると概略は下記の様です。

◆日本政府は、7月1日に、日本企業に元徴用工への賠償を命じた韓国最高裁判決への事実上の対抗措置として、韓国向け半導体部品などの輸出規制に踏み切る。

菅義偉官房長官は7月2日の記者会見で、輸出規制に踏み切った理由について、元徴用工問題を挙げて「日本側が節目と捉えていたG20(主要20カ国・地域首脳会議)までに満足する解決策が示されなかったことから、信頼関係が著しく損なわれた」と述べた。


◆韓国への輸出規制は2段階で行われる。
まず4日から、フッ化ポリイミド、レジスト(感光材)、フッ化水素の3品目で個別の審査や許可を必要とする。さらに8月をメドに、韓国を安全保障上の友好国である「ホワイト国」の指定から外す。
(※ 規制対象の3品目は半導体の製造に欠かせない素材や洗浄剤で、日本企業の世界シェアが高く、フッ化水素は8~9割にも達し、調達先を変更しようとしても代替品が直ぐに見つからない可能性が高いようです。)


◆日本の輸出審査にかかる時間は約3カ月が標準で、これが韓国勢の生産に影響を及ぼす可能性がある。
これら供給問題が起こると、韓国経済を牽引すると言われるサムスン電子やSKハイニックスなど大手の半導体企業への打撃は避けられないとされています。
即ち、材料の在庫量は通常1~2カ月分と言われていて、SK関係者は同社の在庫量は「3カ月は無い」と答えたし、サムスン電子は「状況を精査している」と具体的な説明を避けたということです。


◆早速、韓国側はこれに対して反発し、産業通商資源省は「WTOへの提訴など必要な措置をとる」と表明。成允模(ソン・ユンモ)産業通商資源相は「(今回の日本の措置を)韓国の技術力を高める契機にする」と発言された。


ことの発端は、元徴用工問題を巡り、日本側は『日韓請求権協定』で解決済みとの基本方針を崩さないのに対し、韓国政府はこの問題に対する国民の不満を抑え切れずに、ついに元徴用工問題の賠償問題に関して関係する日本企業の資産売却問題という事態をある意味でなすがままにしているということに加え、
・元慰安婦問題を解決すべき「和解・癒し財団」の韓国側の一方的な解散決定や、慰安婦像を巡る韓国政府の対応への不満
・韓国軍による自衛隊機へのレーダー照射問題
・韓国で開催された国際観艦式での自衛隊機旗掲揚問題
・韓国の国会議長による天皇陛下への謝罪要求
など、最近の両国間にある色々な摩擦と、それらに対する韓国現政府への不信感があるのは事実です。

 そして、直ぐにでも元徴用工問題の賠償問題に関して経済的な損失が起こり得るという事態に対しても、まだ有効な手段を講じない韓国政府に対して日本の「本気度」を表明する必要があると、日本政府が判断したことだと思われます。
(まさ)