東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

小学生の田植え体験

2009年06月19日 | 稲:田植え,草取り

 18日は別所小学校の田植え体験の日です。2,3日前からこの日のために代かきや苗取りをして準備してきました。毎年のことですが、子供達の歓声を聞くととてもうれしくなります。別所小学校の近くはとても自然が少なく、家電店やコンビニ、そして各種料理店チェーンなどに囲まれているような環境です。ほとんどの子供達は田んぼに足を踏み入れるのが初めての体験です。

          初めて田んぼに素足を踏み入れる子供達


 私一人で2クラス70人以上の子供達を教えることはできません。最初の10分で保護者の方々に田植えの方法を教えました。苗の持ち方,苗の植え方,田植えひもの張り方などです。一通り保護者に教えると、子供達に田んぼに入ってもらい田植えの開始です。

            苗の持ち方を子供達に教えるお母さん


 田んぼに素足を入れるのも初めて、苗を持ったり植えたりするのも初めての子供達。最初はとても戸惑っていました。保護者の方々も教えるのに最初は苦心したようです。苗の持ち方や植え方などに加えて、田植えひもに記したマーキングについても子供達に教えなければなりません。

     熱心に教えるお母さん           熱心に教わる子供達
 

 最初田植えするのはクラスの半分の人数です。残りの生徒達は回りで田植えする生徒を見たりしていました。また、隣の田んぼでは「多摩丘陵の自然を守る会」の方々が同じく田植えをしていました。その田植えの様子も見学していました。

       1組の子供達、だんだん上手に植えられるようになったね


 田植えしながらいろいろな質問が子供達から出ました。例えば、「何本苗を植えればいいのか?」「いつお米になるのか?」などです。田植えしたことがない今の子供達にとって田んぼすべてが謎なのでしょう。私が子供の頃は親の手伝いで田植えするのが日常でしたので質問など考えたことがありませんでした。

         2組の子供達、だいぶ上手になりましたね


 田んぼの半分を植え終わった頃にクラスの半分と田植えをチェンジしました。終わった子供達は脱いだサンダルを履いて小川に足を洗いに行きました。田植えする子供達はサンダルを脱いで田植えの開始です。

           半分ほど植え終わると田植えの交代です
 

 今年の田植えの特徴は苗の間隔です。去年までは古式にのっとり30cmx30cmの一尺正方植えでした。しかし、今年は苗がたくさんできたので30cmx15cmで植えてみました。この田んぼは雑草がよく生えるため、この方法も意外といいかも知れません。今年の結果が良ければ来年以降も続けてみようと思います。

            だいぶ田植えが進んだ1組の田んぼ


 一組の田んぼは毎年雑草が少ない一方、2組の田んぼは雑草が多い田んぼです。両者の田んぼの違いは、1組の田んぼは水温がわずかに暖かく水深が深いことです。でも、1組の田んぼは山に近いため日差しの時間は多くありません。

            2組の田んぼもだいぶ田植えが進みました


 プロの農家の田んぼではお米の収量を上げるために肥料を入れます。しかし、この体験用の田んぼでは肥料を入れません。そのため、お米の収量は多くありません。そして、農薬もまったく使いません。このため、いろんな虫や鳥が来訪します。もちろん害虫も多くいますが、その害虫を食べるクモやカマキリも多く来ます。無農薬無肥料にも関わらず毎年一定以上の収量があるのはうれしいことです。

      上手な手つきで1組            2組も上手にできました              
 

 保護者の方々のうちお手伝いに来たのはお母達さんです。お父さん達は仕事で忙しいのでしょう。昔は田植えするのは主に女性でした。男性は主に苗作りをしたり代かきしたりの力仕事でした。牛を使うのも男性だったように思います。私の祖父も黒牛を操って耕運したり代かきしていました。今では牛を使って田んぼ作業する姿は日本から消えてしまいました。時代の流れからみると仕方ないのですが、ちょっと残念な気持ちです。

          子供達の植えた後に植えなおすお母さん達


 田植えが終わると近くの山すじを流れる小川で足を洗いました。飲めるほど綺麗な水ではありませんが、泥で汚れた素足にはひんやりと気持ちいいものです。一部の子供は小滝で水と共に滑り台のように滑っていました。サワガニを見つけた子供もいました。

     小川に向かう子供達             小滝で足を洗う
 

 これで田植えが終わりました。今年は2組が田植えしましたが、数年前までは4組が田植えしたこともありました。さすがに4組もあると離れた田んぼで田植えするため、世話や見守りで大変でした。2組位が見守りするにはちょうど良い人数です。

       最後にお母さん達が足を洗って、田んぼを引き上げます


 田植えが終わったのは11時半頃です。子供達はこれから学校に帰って給食です。田植えや徒歩で疲れた体には、とても美味しい給食だったでしょうね。生徒達が帰った後、急に静かになった田んぼを見下ろしながら昼食をとりました。

       学校へ帰る生徒達、秋には田んぼで稲刈りしましょう

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