東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

晩秋の東京里山散歩

2010年11月27日 | 田舎暮らし
 もうすぐ12月です。農作業や通勤の合間に、私が関わる田んぼの里山を散歩してみました。稲刈りや脱穀が終わって田畑は静まりかえっています。空を見上げると、秋特有の筋雲が青空を横切るように流れています。
  この付近の田んぼは、山から自然に湧いた水が流れる小川に頼っています。そして、江戸時代とあまり変わらないような水利管理をしています。このため、台風などの時はちょくちょく小川が氾濫します。そのたびに、田んぼが土砂で埋まってしまうことがあります。こんな田んぼですが、毎年のように子供達に田植え稲刈りを小学校ぐるみで体験してもらっています。また大学生も田植え稲刈りにやって来ます。さらに、幼稚園,中学生,高校生,ボーイスカウトなども体験にやって来ます。

                田んぼで、この地域固有のワラボッチ


 この付近は東京都八王子南部に残された貴重な里山の一つです。ここの田んぼは個人では耕さず、自然を守る会,農業体験をするNPO,大学の環境グループなどが主に耕しています。そして、将来にわたって残す東京都の貴重な里山の一つです。

                青い空をすじ状に流れる秋特有の雲


 山,田んぼ,谷戸,小川などがセットになって、さらにそれを管理する人がいて初めて里山が成り立ちます。これまでは地元のお百姓さんが個々に農業や林業をしながら自然と関わりながら結果として管理していました。落ち葉は畑などの堆肥になります。私も以前は毎年のように山の落ち葉掃きをして落ち葉を採集していました。昔は、山,田んぼ,畑,小川などが人間の生活とみごとに循環していました。

                    木漏れ日が差し込むコナラ林


 しかしながら、高齢化のため人々が自然と関われなくなって里山が崩壊していく例が全国的に増えています。人が管理しなくなり自然のままに放置すると、あっと言う間に里山は無くなってしてしまいます。

                     落葉しつつあるコナラやクヌギ  


 この地域では江戸の昔、笹(あずま根笹)の皮をはいで籠を作っていました。私の知っている方も、器用に皮をはいで籠を作ることができます。時々近隣の小学校に行っては、この伝統文化を教えています。私もお手伝いしました。

               田んぼの脇道に沿って笹が群生


 ここの里山は、東京でありながら蛍が生息していますし、トウキョウサンショウウオホトケドジョウなどの貴重な生き物もいます。以前、私は大学の専門家を招いてトウキョウサンショウウオ観察会を企画したこともありました。いつまでも残したい貴重な里山です。

               緑が光ってとても綺麗な、稲の刈痕とひこばえ
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