東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

遥かなる自給自足生活(2)

2005年02月23日 | 田舎暮らし
最近、田舎暮らし,自給自足,農業にあこがれる人が少なくない。若い人にもそのような生活をしたいという人がいる。その理由の一つは、現代人は自分をとりまく生活や経済環境の喧騒に汲々しており、自己実現できる時間をなかなか持てないからだと思う。また、物の豊かさに希望がもてないことが分かった終末的な現代、心の豊かさやゆとりを本能的に望んでいるからではないだろうか。
しかしながら、今の生活水準を維持しつつ田舎暮らしや自給自足をすることは、物の豊かさに育った現代人にはきわめて困難だと思う。今の豊かな生活は、交通,化学製品,熱源,情報など多量のエネルギー消費そのものと言ってよい。
このため、今の生活水準を維持できる資金を継続して得る手段のない人が、田舎暮らしや自給自足をする第一歩はエネルギー消費を極力押さえることではないかと思う。物の豊かさを実現しているエネルギー多消費生活は多額の設備費と維持費を必要とするからである。
エネルギー消費を極力押さえる知恵は昔のわれわれの生活にヒントがあると思う。衣食住で欠かせない風呂,給湯,暖房などの熱エネルギー消費を考えてみよう。
私が子供の頃の熱源は、①暖房としては、まきストーブ,いろり,火鉢,掘ごたつ。その燃料は自宅近くの山で自給したまき。
②風呂は五右衛門風呂で、燃料は田んぼのわらや自宅近くの山で自給したまき。屋根の上には太陽熱温水器があり夏場はこれで足りた。
④給湯は昔はなかったが、風呂の残り湯を利用した。
機密性の高い家にすれば、山のまきを利用し、太陽熱もうまく利用すれば熱源を程度良く自給できるのではないかと思う。ただし、山を管理する技術,山に入り木を切り、まきにして、火をたきつける技術。風呂の残り湯を使うようなあまねく資源を利用する「もったいない」精神。そして、それを実現する根性,体力,時間が必要ではあるが。
このような生活を貧しいと思う人は、ガスや石油などを利用した暖房給湯機を利用するしかない。それなりの設備投資と維持費を継続して負担できる資金源が必要である。しかし、その資金源を得るために汗水して働くのであれば何のための田舎暮らしや自給自足であろうか。
コメント
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