秋に種まきをした紅花がいっせいに咲き始めました。梅雨時の今、早く花弁を収穫しなければなりません。紅花の花弁には二色の自然染料が入っています。一色目は黄色です。二色目は紅です。このうち、黄色は水に溶けてしまいます。そのため、梅雨の雨で流れ去ってしまうのです。その後、黄色の染料が流れ去った花弁は紅色になります。
一斉に咲き始めた紅花、急いで花弁を収穫
ちなみに、紅花は紅色の方が貴重のようです。そのため、昔は紅花の黄色の染料を抜いて、団子のようにして乾燥して売っていたそうです。紅花は東北地方が主産地で紅花団子にして都に持って行ったそうです。
咲いたばかりの紅花 雨に当たって黄色が抜けた紅花
どこを見渡しても春の花が賑やかに咲いています。大きく分けてピンク色と黄色があります。黄色の花で一番多く咲いているのは菜の花でしょうか。この花は、今よりも昔の方がたくさん咲いていました。里山における春の風物詩のように思います。
この花はただ観賞用に咲いているのではなく重要な作物でした。私が子供の頃のことです。乾かした菜の花を叩いてナタネを取り出していました。そして、唐箕でゴミを飛ばして出荷していました。ナタネは食用油を取るための大事な産品だったのです。確かナタネを蒸して砕いて圧縮して油を取っていたように思います。
その昔、食用油を取るための菜の花(種のナタネを収穫)
私が子供の頃の昭和30年代初期、冬の作物として麦と菜の花がありました。麦は初夏に収穫しますが、菜の花はそれより前に収穫しました。鞘が大きくなって茶色になり始めると一斉に刈り取って天日干しします。
そして、鞘がはじけるほどに乾燥すると、叩いてナタネを収穫するのです。大勢が集まっての一日仕事でした。そのような時、親戚同士が集まって助け合ったものです。今はそのような助け合うことが無くなりました。
黄色のラッパ水仙 名前を忘れた花 枝に咲いたレンギョウ
何げなく庭や畑を見ていると、雑草が茂っていることに気が付きます。暖かくなり草が元気に育っているのです。雑草は園芸作物よりも耐寒性があるため、3月になるとよーいドンで一斉に競争しているのでしょう。早く背が高くなった草が勝ちなのです。中には、花が咲き終わって種が飛んでいる草があります。タンポポです。
いつの間にか花が咲き終わり、種が飛んでいるタンポポ
タンポポが咲いているのを見つけたため、その周りを見てみると、いろんな雑草が花を咲かせていました。まだ肌寒い季節なのに、雑草達には春爛漫なのでしょう。どんな花が咲いているか腰を落として探してみました。背が低いままタンポポがあちこちで咲いていました。こんもり盛り上がったカラスノエンドウもちらほらマメ科特有の花を咲かせていました。
背が低く咲くタンポポ カラスノエンドウの花 ピンク色のホトケノザ
その他に、ホトケノザがあちこちで多く咲いていました。花弁を摘まんで引っ張るとポロリと取れます。また、小さなスミレもたくさん咲いていました。子供の頃、スミレの花弁同士を引っ掛けて遊んだことがあります。これまではピンクや紫などの有色の花弁でしたが、ぺんぺん草とも言われるナズナが白い花を咲かせていました。尺八に似た種がたくさん、花と同じ茎に付いていました。だいぶ前から花を咲かせていたようです。
子供の頃に遊んだスミレの花 通称ぺんぺん草のナズナ
つい先日、我家の梅の花が咲き始めたと思ったら、もう散り始めました。春になると、一気に時間が早く進むように感じます。花壇や畑を見ると、雑草がぐーんと大きくなっています。今のうちに草を引き抜かないと大変なことになります。また、秋に種まきした秋冬野菜のとうが立ち始めました。これまた早く引き抜かないと後始末が大変です。三月中には整理しなければと思います。
散り始めた中で、唯一花弁が落ちていなかった梅の花
忙しい仕事の合間に花壇に行くと、もうクロッカスが咲いていました。花が散ったら球根を掘り上げて乾燥しなければなりません。また、アヤメの仲間が咲いていました。何の種類のアヤメか分かりませんが、我家で一番最初に咲くアヤメの仲間です。水仙もつぼみが大きくなり今にも咲きそうです。花ではありませんが、つくしも顔を出しました。
クロッカスの花 咲いたアヤメの仲間 つくしも顔を出す
畑の隅っこに植えてある蝋梅が今年も元気に咲きました。私が田布施に帰る前に、亡き父親が植えたようです。蜜蝋を薄く平に伸ばしたように見える半透明な黄色の花弁が特徴です。以前、私は蝋梅と紅梅を間違えていました。蝋梅の事を紅梅と言っていました。恥ずかしい限りです。
ところで、10年ほど前に田布施に持ち帰った福寿草が今頃開花していました。しかし、田布施の気候が合わないのか雑草に負けて5年位前に消えてしまいました。園芸植物は常に気にかけていないと、枯れたり虫に食われていつの間にか消えてしまうのです。
今年も綺麗に花を咲かせた蝋梅
ところで、蝋梅が咲き始める頃から日照時間が長くなります。そのためか、畑や庭が少しずつ雑草の緑で覆われてきます。特に、カラスノエンドウはどんどん育ちます。このまま放置していると、3月頃になると始末に負えないほど背が高くなります。そのため、今の時期に軽く草刈りしたり地面を耕運しておくと、その後の畑の管理がやりやすくなります。
半透明な蝋梅の花弁 枝に散らばって咲く花
毎年の事ですが、我家の裏庭のヒガンバナが咲いていました。通勤時に土手などを見ていると、あちらこちらでヒガンバナが咲いているのが見えます。それで、我家も咲いているのかなと裏庭を見ると群れ咲いていました。つい最近までは何もなかった場所に一斉に咲いていました。咲いている範囲が広がっているように思います。四方八方に増えているのでしょう。
草むらの間に咲き誇るヒガンバナ
ヒガンバナは球根が分球して増えます。球根には毒があるようで、さすがのイノシシも掘り返しません。花が散るのと同時に根元から葉が出てきます。そして、晩秋から初夏にかけて葉が茂ります。そして、夏本番にはその葉は枯れてしまいます。地面には何もなくなり更地になります。そして、初秋には再びヒガンバナの花だけが地表に出てきます。毎年それの繰り返しです。
ちょっと変わった花弁 あちこちで花だけが群れて咲く
夏に咲いていた花の種を取る季節になりました。今回は、夏に紫色の小さめの花を咲かせていていたトゥルーシーの種を取りました。トゥルーシーはハーブで、ブルービーと呼ばれる珍しい青色の蜂が飛んできます。ミツバチ位の蜂で、飛び方がとても早いのでなかなか写真が取れません。花の蜜をすぐに吸って、せわしなく次の花に行くのです。ハーブだけあり、種を取っているとその甘い香りがふんわりと漂ってきます。採取した枯れた花柄をカラカラに乾燥します。そして、冬の暖かい日などに叩いて種だけをとります。
咲き終わったトゥルーシー(ハーブ)の花柄を採取
私はそんなにたくさんのハーブを育てていません。種で増やすハーブは、今回種を取ったトゥルーシーだけです。他に2種類のハーブを育てています。クールミントとローズマリーだけです。両者共に種ではなく挿し木や宿根で増やすことができます。基本的に野放しです。ハーブではないのですが、ニッキの樹が裏山にあります。根の香りが強いのですが、葉も良い香りが漂います。以前、蚊が嫌うハーブがあったのですが、家を塗り直す時に枯れてしまいました。
冬までにカラカラに乾燥 指で揉んで取り出した種
猛暑が続いていますが、我家の花壇ではヒマワリが威張るように咲いています。ヒマワリは4本ばかり花壇に育っており、一斉に咲かず順番に咲いています。すでに花弁が散ったヒマワリは種がだんだん大きくなっています。8月の終わりに種を採取しようと思います。ちなみに、種をそのままにしていると野鳥がやってきて種を食べてしまいます。その様子を見ていると、口ばしで挟んで摘まみ出すようにして食べています。そのまま放っておくと、種がまだら模様に無くなってしまいます。食べられないように、網をかけとおこうと思います。
猛暑の中、空に向かって咲くヒマワリの花
その他の花では、洋綿が次々に咲いています。洋綿(バルバゼンセ)のため、最初は大きくて白い花が咲きますが、だんだんピン色に変色します。花びらが落ちると綿が詰まっているコットンボールが大きくなります。このコットンボールが割れると綿を収穫することができます。ちなみに和綿は黄色の花が下を向いて咲きます。下を向く理由は、花が雨に濡れないように古来から選抜されてきたからではないかと思います。
洋綿の隣では花オクラの花が咲いています。この花を食べることができるそうですが、調理方法が分からないため食べたことはありません。ちなみに、この根を収穫して紙漉きに使うことができるとか。別の畑で楮を栽培しているため、今年は小さな紙を漉くことができるかも知れません。
咲き始めの洋綿の花 ピンク色の洋綿の花 花オクラの大きな花
花壇ではたくさんのトゥルーシー(ハーブ)の花が咲いています。ハーブのため花や葉の近くに行くと、ほのかな匂いが漂います。クールミントのような強い匂いではなく優しい匂いです。このトゥルーシーの花には蜜蜂位の蜂ブルービーがやってきますが、今年まだ見かけません。ブルービーの名のとおり体全体が青い蜂です。花の間をせわしなく飛びます。
ブルービーが訪れるトゥルーシー(ハーブ)の花
今年はトゥルーシーの栽培方法を間違えました。去年は苗を育ててから花壇に植えました。そのため、雑草に負けず大きく育ちました。しかし、今年は種まきして栽培したため、雑草に負けてばかりです。肥料分を雑草に取られるのか背も低いままです。来年は去年と同じように、苗を育ててから花壇に植えたいと思います。
オドリコソウに似た花びら 今年は背が低いトゥルーシー
真夏の花であるアメリカフヨウが、元気よく大きな花を咲かせています。我家で一番大きな花ではないかと思います。宿根植物のため同じ場所で毎年花が咲きます。ただし、気を付けないと害虫にすぐに葉を食べられたり葉を巻かれます。特に「葉巻き虫」に食害されることが多いです。また、まだら模様のカミキリムシにも入られます。そのため、株分けして増やしたいのですがなかなかできません。
今年も巨大な花を咲かせ始めたアメリカフヨウ
アメリカフヨウは花が大きいためか、茎や葉が伸びず大きく茂りません。栄養を花に取られて大きくなれないのでしょうか。それとも、害虫にやられて背が伸びないのかもしれません。もう少し周りの雑草を刈り取って、しっかり肥料を与えれば大きくなり株も増えるのかも知れません。
二つ咲いた大きな花 別の場所では二つのつぼみ
私が東京から田布施に帰った時、カンナの球根を持ち帰りました。その持ち帰ったカンナ、今年も赤い花が咲き始めました。思い起こせば、田布施に帰る直前まで統合失調症の患者様のホームヘルプをしていました。その患者様の生活支援をしている時のことでした。生活支援中、患者様と一緒にゴミ捨てをしていました。その時、ゴミ箱脇に痩せたカンナが生えていることに気が付きました。舗装されたときに埋められたようで、わずかな隙間から生えていました。その痩せたカンナを田布施に持ち帰ったのです。
私が定年退職する数ヵ月前、患者様に田布施に帰ることを伝えました。以降、その患者様は悲しそうな顔をするようになりました。そして、幻覚が出るなど症状もひどくなりました。私が病院を退職して田布施に帰った後、その患者様のことが気になって病院にメールしました。すると、私が田布施に帰ってから1ヶ月後に亡くなったとのこと。身につまされました。持ち帰ったカンナが花を咲かせるたびに、その患者様のことを思い出します。
ゴミ箱脇に生えていたカンナ、今年も赤い花を咲かせる
ブルービーがやって来ると言う、トゥルーシー(ハーブ)を育てています。しかし、初期の草取りを忘れていたため、すっかり雑草に覆われてしまいました。今回、トゥルーシーの周りに生える雑草を刈り取りました。しかしながら、トゥルーシーの幼葉は雑草(特に青シソ)に似ているため選別することがとても困難です。私がトゥルーシーかどうかを判別する方法の一つとして、葉を少し擦って匂いを嗅ぎます。甘酸っぱい良い匂いがすると、トゥルーシーだとすぐに分かります。いやな匂いがすると雑草です。草取りをしながら座りっぱなしです。時々背伸びしないと腰が痛くなります。
匂いで判別しながらトゥルーシーの周りの雑草を取る
去年もトゥルーシーを栽培しましたが、今年はうまく育ちません。もしかして、トゥルーシーはマメ科植物のように毎年同じ畑で育てられないのかもしれません。今更種まきする時期を過ぎています。来年は別の畑で栽培しようと思います。ところで、トゥルーシーは匂いがきつくないハーブなので気に入っています。なお、去年は苗を育てて花壇に植え替えました。この方が育てやすいようです。来年は苗を育てて移植しようと思います。
トゥルーシーの周りの雑草を取る 周りの雑草を取ったトゥルーシー
我家の花壇では、アイリスが真っ青な花を咲かせています。5年前に別の場所から植え替えました。最近はすっかり定位置になり毎年梅雨前に群れて咲くようになりました。また、同じアイリス類でしょうか、ジャーマンアイリスも元気に咲くようになりました。このジャーマンアイリスはアイリスを植え替えた頃に球根を購入して植えました。アイリスの隣に植えたため、毎年競うように見事な花を咲かせています。もう2~4種類の違う色の花を咲かせるジャーマンアイリスを購入したいと思っています。
5年前に別の場所から移したアイリス、今では群れて咲く
アイリスの近くにある花菖蒲は葉だけが茂っています。菖蒲湯iにするため葉を浴槽に入れていたことがあります。他にアヤメが咲いているはずなのですが今年は見当たりません。恥ずかしながら、私にはアイリス,アヤメ,菖蒲などの正確な区別が分かりません。花の形,模様,色,開花時期などに違いがあるのだと思います。
ジャーマンアイリス1 ジャーマンアイリス2 ジャーマンアイリス3
ところで、ジャーマンアイリスの畝が雑草に覆われていました。今日は、一日中雨なので体がなまって仕方がありません。短い時間ですが、雨の中を草取りをしました。ついでにカマを研いでおきました。ところで、5年前に植えたジャーマンアイリスの球根のうち二つが今だに花を咲かせません。草刈りをさぼっていたことなどが原因の一つです。花を咲かせるためには、草刈りや施肥などしっかり管理する必要があると思います。
雨の中、アイリス周りの草取り 〇は開花しないジャーマンアイリス
先日畑の草を刈っていると、幅広く雑草が枯れている箇所がありました。その枯れた葉を覆うようにラーメンのような細長い糸状のものがたくさん絡みついていました。一目で分かりました。これは根なしカズラです。根も葉もない不思議な寄生植物です。相手の植物の茎に絡みつくと、棘のようなものが茎に差し込みます。差し込まれた棘は、根のように相手の養分を吸い出すのだそうです。そもそも植物なのに葉緑素が無いため、緑色ではなく黄色です。ラーメンをぶちまけたように相手の植物を覆いつくします。養分を吸いつくすと、その植物は枯れてしまいます。すると、隣の植物に狙いを定めるのです。こうして、あたり一面の植物が枯れつくされてしまいます。
相手の植物に絡みついて養分を吸いつくす根なしカズラ
それにしても不思議な生き物です。襲うのは主に広葉雑草で、稲やススキなどのような禾本雑草は襲いません。根なしカズラは、たまたま雑草を襲っていましたが、小豆や大豆などの作物なども襲います。春になると、小さな根なしカズラが出てくるので注意が必要です。
この植物は、動物で言えば寄生と言うよりも魚を食べるサメのようなものかも知れません。植物を食べる植物と言った方が良いかも知れません。根なしカズラは、一方的に相手の養分を吸い取って枯らします。雑草の中で食物連鎖の頂点に立つ植物なのかも知れません。
根なしカズラに覆われ、枯れた植物 根なしカズラの花
今はどこに行っても、真っ赤なヒガンバナが咲き誇っています。我家の裏庭のヒガンバナをすっかり忘れていました。今日行ってみると、どれも赤い花を咲かせていました。赤いじゅうたんのようです。10年ほど前はそれほど咲いていなかったのですが、ここ数年咲く場所も広がっているように思います。裏庭は昼からしか日か当たらないのですが、ヒガンバナの生育に合っているようです。
あたり一面にヒガンバナの赤い花が満開
ヒガンバナは花が咲いている時は、葉がまったくありません。花が散ると葉が地面から押し出すように出てきます。秋から春にかけて葉が茂るのですが、夏になるとその葉は枯れてしまいます。不思議な生体の植物です。面白いことに、イノシシはヒガンバナの球根を全く食べません。美味しくないか毒があるのでしょう。素人考えですが、サツマイモの間にヒガンバナを植えたらイノシシの被害は無くならないでしょうか。
花弁は丸まり花粉管はひげのよう 群れるように咲く花