ちょっとマンネリですが・・・

ダラダラ過ごしている毎日のことあれこれ・・・・

「自分の前にある世界の一部を見て、ことばという部品をつなげていく・・・」

2009年10月19日 | Weblog
「二十億光年の孤独」谷川俊太郎著より。

(前日のつづき)
これは谷川さん自身のことばだろう。たまたま谷川さんのお父様が詩について評価できる人物だったというだけでは済まなかった。父、徹三氏は即刻友人である詩人三好達治にその大学ノートを送りつけていたのだ。

三好もその詩の新鮮さに驚いたようだ。そして、さっそくそのノートから六篇の詩を選んで、文芸雑誌『文学界』に推薦し、その年の12月号に掲載されたという。

なんと!お先真っ暗だった少年が新人として詩壇に姿を見せることになったのだ。始めから詩人になろうと思ったわけでもないのに、このとき人生は動きだしてしまったようだ。すると、ある出版社が単行本の出版を申し出てきたり。

ここでの解説者山田馨氏は「明晰なことばで組み立てた工芸品のような詩・・・」と表現している。谷川さんは新進詩人となって、インタビューをうけたりエッセイを書きながら生活が成り立っていったようだ。

才能があればこそ、その後も活躍できその世界で第一人者となれたのだろう。いくらチャンスに恵まれたからといって、その後が継続できる人は稀ではないだろうか。俗にいう一発屋は多いかもしれないが。

関係ないが、この文庫本は後ろからめくるとすべての詩に英訳がついている。なお、タイトルは“Two Billiion Light-Years of Solitude”となっていた。