「朝日新聞」2010.11.27付けより。
(前日のつづき)
これは、千葉大大学院教授の松野弘さんの述べていることだった。松野さんは、まず大学の超大衆化時代を迎え、教員の質も問われていると語る。
1985年から大学教員の資格要件が「専攻分野について、特に優れた知識及び経験を有すると認められる者」との条項が新設され、社会人が大学教員になる道が開かれたのだ。
その後、公務員、企業経験者、マスコミ関係者、タレント文化人らの社会人から教員に採用されることが多くなっているようだ。欧米の場合は博士号がなければ、原則大学教授にはなれないのと比べかなり緩やかな基準だった。
松野さんは、学生集めのために知名度の高いタレントを教員に招く大学もあると指摘している。しかし、本来は大学教員の採用基準を厳格にすべきだと主張していた。
松野さん自身も、企業勤務を経験して大学教員になっているが、その間著書20冊、論文45本、翻訳19冊を著し、博士号も取得していた。だからこそ、そうそう簡単に(博士号もとらずに)社会人の経験があるからといって採用すべきではないといえるのだろう。(それにしてもすごい実力を感じさせる!)