「メトロポリターナ」2009.10月号より。
この号の特集は「匂いおこせよ記憶の花」となっていた。匂いといえば、今窓を開けると庭のキンモクセイの甘ったるい香りが流れ込んでくる。また住宅街を歩いていてもあちこちにこの匂いが漂っている。実に秋を感じさせる匂いだ。この花のピークはこの一週間だろう。
いきなり話が横道にそれてしまったが、香りである記憶が蘇る現象は「プルースト効果」と呼ばれているらしい。これはマルセル・プルーストの大作小説「失われた時を求めて」からきていたのだ。これは主人公が紅茶に浸したマドレーヌを口にしたとたん、幼い頃の思い出が一気に蘇ったというものだった。
先ほどのキンモクセイでいえば、私の場合は小中学校時代に通った道を思い出してしまう。学校の近くにあった家に大きなキンモクセイの木があって秋になると、その木がオレンジ色のつぶつぶの花でおおわれて強烈な甘ったるい匂いを放っていたからだった。
当時は自宅にもあんないい匂いのする木が欲しいと漠然と思っていたものだった。そして、いつしかマイホームを持つようになって、今庭から流れ込んでくる匂いがキンモクセイだったのだ。この匂いもあと数日のピークを終えると、さらに秋の深まりを感じるだろうなぁ。
この号の特集は「匂いおこせよ記憶の花」となっていた。匂いといえば、今窓を開けると庭のキンモクセイの甘ったるい香りが流れ込んでくる。また住宅街を歩いていてもあちこちにこの匂いが漂っている。実に秋を感じさせる匂いだ。この花のピークはこの一週間だろう。
いきなり話が横道にそれてしまったが、香りである記憶が蘇る現象は「プルースト効果」と呼ばれているらしい。これはマルセル・プルーストの大作小説「失われた時を求めて」からきていたのだ。これは主人公が紅茶に浸したマドレーヌを口にしたとたん、幼い頃の思い出が一気に蘇ったというものだった。
先ほどのキンモクセイでいえば、私の場合は小中学校時代に通った道を思い出してしまう。学校の近くにあった家に大きなキンモクセイの木があって秋になると、その木がオレンジ色のつぶつぶの花でおおわれて強烈な甘ったるい匂いを放っていたからだった。
当時は自宅にもあんないい匂いのする木が欲しいと漠然と思っていたものだった。そして、いつしかマイホームを持つようになって、今庭から流れ込んでくる匂いがキンモクセイだったのだ。この匂いもあと数日のピークを終えると、さらに秋の深まりを感じるだろうなぁ。