林家花園は大好きな場所の一つです。台北のお隣、板橋市にある旧跡で、清代に巨万の富を築いた林氏一族が住んでいた豪邸と庭園なんです。広大な敷地に池や書院があり、いかにも当時流行したスタイルの建築なんだけど、魅力的なのは全てにおいてアートだということ。史跡とか旧跡とか言うより、美術館にいるような錯覚に陥ってしまうんです。
まずびっくりするのは回廊の石塀に施された透かし彫りの窓(?)!写真を見てください。蝶々をモチーフにしたデザインに掘ってあったり、花瓶をデザイン化した形に掘ってあったり、また別の回廊には果物、野菜、雲などの透かし彫りコーナーがあったりして、それを一つ一つ見ているだけでもおもしろいんですよー。このへんてこな窓はこの家の主の趣味だったんでしょうか。すごくこだわりが感じられます。
庭と部屋を結ぶ通路は迷路みたいにこみ入っていて、歩いているとゲームをしているような気分になっちゃいます。途中、岩で造られた洞窟っぽい小さな部屋や、天井の低い細い廊下なんかにぶち当たったりして驚いたり。もしかしたらこの洞窟部屋で年頃の女の子が少し年上のいとこのお姉ちゃんに恋愛相談なんかしていたかもしれないなあ。
庭園の中には青空カフェもあって、蝶々の透かし彫りを見ながらフラワーティーをいただいたりするのもまたいいもんです。
迷いながらも庭園を散策していると広い緑の芝生に忽然と現れた岩山(上の写真)!築山みたいなんですが、よく見るとミニ螺旋階段のついた休憩所。石のテーブルと椅子がしつらえてあるから、気候のいいときにはきっとここでお茶でも飲んでいたんでしょうね。この休憩所もかなり凝った造り。よくもまあこんなデザイン考えたもんだと感心します。
綺麗だとか風流だとかだけではなく、おもしろくて芸術性に富んだこの林家花園、いくら説明しても筆舌に尽くしがたいので、台湾にお越しの折には是非見学してください。台湾に住んでいる人は是非訪れてください。お勧めですよん。