運転手不足に拍車

トラック運転手には時間外労働の上限規制がなかった。
だが２０２４年４月からは新たな労働基準が適用され、年９６
０時間に制限される。運転手が働ける時間が短くなり、荷物の
輸送能力が急低下する恐れがある。
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宅配だけでなく、製造から小売りを結ぶ物流網の維持が危ぶま
れており、暮らしや経済への影響を避けるための対策が急がれ
る。年９６０時間を超える残業時間の運転手を抱える企業は全
体の３割、長距離輸送に限れば５割に達する。「過労死ライン」
とされる８０時間の残業を毎月繰り越している。
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「運転手を雇おうと待遇を引き上げて募集をかけているが、採
用できない。このまま２０２４年を迎えたら、会社は継続でき
ないかもしれない」。野村総合研究所は、「２０３０年には全国
の３５％の荷物が運べなくなる」と公表した。東北や四国では
４割以上となるなど、地方で特に深刻な影響が懸念される。
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運送業界では、長時間労働と低賃金が常態化している。
トラック運転手の平均年収は４６３万円で、全産業平均を２６
万円下回る。労働環境が改善されないため、若い世代の担い手
は少ないままだ。一方、物流に対する需要は宅配を中心に依然
として高い。企業も消費者も、物流コストの上昇を受け入れざ
るを得ない。消費者には「配送料はタダでない」と言う意識を
まず根付かせることが重要だろう。






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