愚直な仕事

最近「顧客の忠誠心」が注目されているといいます。
要はどれだけ自社のファンになってもらい、自社だけから商品を買って
もらうかということだそうです。そのために会社はアフターサービスを
充実させたり、ポイントで還元したりと躍起になっているわけです。
しかし、打算的な活動で自社のファンになってもらったといても、それ
が本当のファンと言えるかというと、どうも違うようです。
ある会社は腰が曲がった人が出し入れしやすいように、くるぶしの近く
にポケットがあるズボンを作ったり、指の力が弱いお年寄りのために、
ボタンではなくホックを使い片手で一瞬にして脱ぐことができるズボン
などを開発しているといいます。ズボンひとつとっても弱者の立場に立
ったモノづくりをしています。皮膚性の難病を持ち普通の靴下が履けな
かった一人の女の子のためだけに靴下を開発するなど、採算度外視で人
のためになることをしているといいます。
この会社の「困っている人を助けたい」という熱意に、支援の手を差し
伸べるファンも多いそうです。建物の立ち退きを迫られ絶体絶命のピン
チになった時、私財をなげうってくれた大学教授もいたぐらいです。
自社のファンというのは、決してサービスだけで釣るようなものではな
いのかもしれません。世のため、人のためになる仕事を愚直に続けてい
けば、その姿をみて、人は自然とその会社のファンになってくれるもの
なのかもしれませんね。

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