医者から詳しく聞かされない医療情報:セカンドオピニオン

誤解と批判を恐れない斜め後ろから見た医療情報

早期胃ガン発症後のヘリコバクター・ピロリ除菌の有用性

2011年03月28日 | 消化器
以前、8年間の調査で、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃過形成ポリープ、潰瘍はないけれど「もたれ」「不快」「胸焼け」などの消化障害を認めるヘリコバクター・ピロリ保菌者の2.9%が胃ガンを発症しましたが、非保菌者からは胃ガンは発症しなかったことをお伝えしました。

また、別の調査では5年間でピロリ菌保菌者の胃ガン発症率は3.8%、除菌に成功した者の発症率は1.2%であったとお伝えしました。

それでは一度早期胃ガンに罹患した場合、再発率の差はどうなのかということで、論文を調べてみました。超一流誌に日本人の研究が載っていました。素晴らしいです。


Effect of eradication of Helicobacter pylori on incidence of metachronous gastric carcinoma after endoscopic resection of early gastric cancer: an open-label, randomised controlled trial.
Lancet 2008;372:392.
(インパクトファクター★★★★☆、研究対象人数★★★★☆)

ヘリコバクター・ピロリ保菌者で早期胃ガンと診断され、内視鏡手術で治療された544人を、ヘリコバクター・ピロリ除菌群(272人)と非除菌群(272人)に分けて(この研究は除菌が胃ガンの発症率を減少させることがまだ確立されていなかった頃のものです)、その後の胃ガンの発症を内視鏡で定期的に注意深く検査されました。

除菌群では203人が除菌に成功し、非除菌群と比較されました。一度早期胃ガンに罹患した患者の3年間の胃ガンの再発率は、除菌群で4.4%非除菌群で8.8%でした。



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