橡の木の下で

俳句と共に

「初蛙」令和4年「橡」6月号より

2022-05-31 15:52:21 | 俳句とエッセイ
 初蛙   亜紀子

初蛙ゆふべは閉ざす園の内
一日座す窓に傾く春夕日
散りつぐや夜の木蓮の音たてて
満開の花に老いゆく小家かな
営巣の四十雀らし愛想なき
小流れのはやる心に榛の花
春落葉積もる風情や外厠
四月はや藤美しく訝しく
水引けば先づ水草生ふ菖蒲園
雪柳真白に香る鉄路沿ひ
高架線花を綴れる西東
春月や野良に餌をやる人の影
若人に鬱鬱雨の椎の花
葉桜や余興をさらふ新社員
ワクチンへ花も嵐も踏み越えて

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