句集『喜子百句』
平成29年睦月発行
著者:山下喜子
発行:Baum
著者俳歴:
昭和34年 水原秋桜子「馬酔木」入門
昭和44年 馬酔木新樹賞受賞
昭和46年 馬酔木同人
昭和59年 堀口星眠「橡」創刊同人
昭和60年 第1回橡賞受賞
俳人協会会員 京都俳句作家協会会員
著者住所:
〒606-0866
京都市左京区下鴨東森ヶ前町6
著者添え書きより抜粋:
しののめの比叡小比叡年立てり 喜子
昭和と共に光陰矢のごとく過ぎ、今年私は卒寿を迎えました。
ご縁を頂きました皆々様にお届け申し上げ、長いご交誼、心より感謝申し上げる所存でございます。
序句:
鶴引くや孔子を語る女弟子 星眠
抄:
読初の粛と字足らず山頭火
移る世にまなぶた重く亀鳴けり
大きおす都をどりの今小町
一喝の躾なつかし敬老日
国境に大河横たふ碇星
声涼し麻酔の国へさそふ医師
医師とても神をのたまふいわし雲
本復の細身になじむ春襲
まばたきを忘れて目白巣に籠る
救ひの手千の冴え冴え観世音
如月や鳩寿の食のうぐひす菜
坊しづむ渓の卯の花月夜かな
オリンピック蝋梅は金惜しみなく
いつしかに少子の国ぞ星契る
たつぷりと若湯流しつ介護椅子
いちじくの千の小壺の熟れにけり
枯園の中噴水は澄む柱