「東山動植物園」
黒鳥の池の濁りも温みけり
黒鳥の喇叭折りをり木々芽吹く
春光や象舎に暗き戸がひとつ
春禽のライオンの辺に来ては去り
冬眠とも春眠とも園の熊
春浅き風はキリンの身に添はず
春淡き苑に人来ぬひとところ
そぞろ来て春の水鳴るかたへ寄り
山茱萸や光つま弾く瀬々の石
余寒なほ嵩雀がくづす古落葉
ふるさとに丘あり揺るる榛の花
湯が沸いてとりどり茹でる春野菜
芹噛んで信濃の遠き思ひ出よ
春星座低き甍に足をおき
啓蟄やボール拾ひの子が走り
「東山動植物園」
黒鳥の池の濁りも温みけり
黒鳥の喇叭折りをり木々芽吹く
春光や象舎に暗き戸がひとつ
春禽のライオンの辺に来ては去り
冬眠とも春眠とも園の熊
春浅き風はキリンの身に添はず
春淡き苑に人来ぬひとところ
そぞろ来て春の水鳴るかたへ寄り
山茱萸や光つま弾く瀬々の石
余寒なほ嵩雀がくづす古落葉
ふるさとに丘あり揺るる榛の花
湯が沸いてとりどり茹でる春野菜
芹噛んで信濃の遠き思ひ出よ
春星座低き甍に足をおき
啓蟄やボール拾ひの子が走り