橡の木の下で

俳句と共に

草稿07/29

2009-07-29 21:08:01 | 一日一句
ひとつ鳴き夜明けて揃ふ蝉の庭
顔に出でし夏の衰へ見られをり
              亜紀子

今年は冷夏で、昨年のような夜昼かまわず鳴き続ける蝉はいないようだ。それでもまだ真っ暗な夜中のうちからぐずぐずと鳴き始めるものもある。ひとつ鳴き出してから日の出までは結構な時間差だった。

偶然に相次いで久しぶりに出会った友人二人。多くは語らずただにこにこと懐かしく擦れ違う。ほんの一瞬だったが二人とも驚きの表情を見せた。それほど久しく無沙汰であったろうか、はたと、壁の鏡を見る。ここのところの睡眠不足と、ことに昨夜はほとんど眠らなかったその疲れがありありと顔に出ていた。これに驚いたのかと、合点がいく。自分でもがっかり。

現実、経験を五七五に起こしていく、詠んでいく作業は、自分にとっては
マイナスの物事は落ち着かせ
プラスの事項はより確実で強固なものに変える
そういう作用があるようだ。