道(20230603)
目的であり結果、それが道。
選び行うことそのものが道。
永年の謎が一気に解けたような不思議な気持ち。
見返りやコストパフォーマンスから解放され、何も求めない。
なぜならその選択を実行することで全てが完結するのだから。
選び行った時点で目的が手に入る、そしてそれがずっと続く。
それはもう道そのもの。
こんなことを実感するとなると、私はもう短いかもしれない。
もちろん死にたくないし死は怖い。
でも運命は変えられず抗っても勝目はない。
だから私にできる唯一はこの道を前へ淡々と進むことのみ。
この道にある美しさ善さ尊さは、それを崇める私の個性。
なのでここを前へ進むだけで目的も結果も全て手に入る。
しかもそれがずっと続くのだ。
この道というものはもっと辛く険しいと思っていた。
でも実際はあっけないほど淡々と明るく開けた平地。
欲望に焦がれたり憤ったりしない平穏が続いている。
でもこれは完全な老境で、するとなると私はこの先もう永くないかもしれない。
家族親戚そして皆んなに心残りは多いけど、個人的に思い残すことはない。
もちろんヒトの宿命の願望と野性の証明の勘で人の倫を踏み外さぬよう歩む必要はあるけれど。
本当に不思議で静かな感覚。
私の年代はこういう感覚を持つようになっていくのかもしれない。
老いの一面だと思う。