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思いやりのリサイクル。

 所用がありましてカブで走っていると・・・
ライダーの皆さん大好物の銀色タンクローリーが走っていました。

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 やっぱり後ろを走りたくなりますよね。
 
  
  
 暫く走り、いくつかの用事を済ませながら本屋に寄ります。
以前自転車で走っていた時に、
「モータースポーツの書籍はお任せ下さい!」のような看板があり
ちょっと気になっていたお店。

 店に着くと、後ろから鮮やかな青メタリックのNinja250Rが。
『駐輪場に入ってくるのかな・・・』と構えていると、
”全身フル装備”の癖に、何故か車種はカブな私を警戒したのか
(レーシンググレードのフルフェイス+ライジャケ+ライディングシューズです)
手前の車のスペースに停め、足早に店内に入っていってしまいました。
彼の心中や如何に。
 
 
  
 本屋の用事も済み、今度はドラッグストア。
最近お世話になっている、イブプロフェン系の鎮痛剤を求めて店に入り
特売になっていた錠剤を手に持ち、レジに並びます。

 レジ列の一人前には、如何にもな今時の若者が。
上はトレーナー、下はスウェット?髪はメッシュ?のような風貌で
最近よく見るような、男性アイドルグループに居ておかしくない感じ。

 その一人後、つまり私はかねてより申し上げている通りに
縄文人か、或いは大和王権時代の豪族のような風貌であり(笑
その上フルフェイスメット+ライダー装備の明らかに怪しい人物です。
 
 順番を待ちながら、前の青年を観察していると
一貫して”一言も発さない”のですよね。
コンビニやファストフード店でよく見るような光景でもありますが
「お願いします」でもなければ「ありがとう」でもなく
ただただ、店員さんの作業にも無関心な風で立っているだけ。
店員さんから価格を告げられると、お金の皿にポイッと代金を放ります。

 その次は、後ろに誰が並んでいようが、
マイペースに財布にお金を仕舞うと、
これまたマイペースに袋を持って無言のまま立ち去るのです。
 
 
  
 『なんか違うよなぁ・・・』と感じながらも、
口を出すことでもありませんので、そのまま私の順番に。
レジのご婦人(60代手前か)も、
不調法な若者の次が、バイク装備の怪しい人物ですから
少し控えめにこちらを伺いながら「お次の方どうぞ」と。

 左腕に通しているヘルメットの先の掌で持っていた商品を
右手に持ち替えて、「おねがいします~!」と差し出すと
レジのご婦人は面食らったように「いらっしゃいませ!」。

 「ポイントカードをお持ちですか?」と問われれば
「ごめんなさい、持っていないんです・・・」と応じました。

 代金を告げられた後は、
所定の金額をお金の皿に相手の方に向けてそっと置きます。
もちろんその時も控えめに「おねがいします」と渡します。

 その後、紙袋に梱包された商品を
「ありがとうございます♪」と笑顔で受けとりますが、
レジのご婦人も、「ありがとうございました!」と
当初とはうって変わって気持ちのよい対応をしてくださいました。

 そして更に一言、少し控えめ微笑みながら・・・
「お大事になさってくださいね」と仰ってくださるので
「ありがとうございます~^^」と嬉しく応じまして
お互いに笑顔のまま、入り口方面に立ち去りました。
 
 
 
 この一連の流れについて思う事。
”お店で金出してやって”、
”買ってやってる”のだという親の元で育った子にしてみれば、
金を出している以上は相手の事などどうでもよく、
一刻も早く商品を寄越すのが当然であり、自動販売機と同じ感覚なのでしょう。
 
 ですがやっぱり違いますよね、それ。
我が家は決して名家でもなく、裕福でもなく、
それどころか人並み以下だったのだと思いますが、
それでも、我が親はこういった非礼には厳しかったのだと思います。
今や親に教えられたのか、自分で分別を付けたのかも判らない年齢ですが
客観的に見て、”かくあるべきだろう”と感じるのは・・・

 買わせて頂いている、という意識もありますが、
例えそこに賃金が発生していようとも、
純粋に私の為に労働してくださっている方への感謝は必要ですし
商品を用意し、私たち庶民の手に簡単に届く所までしてくれた
関係している全ての存在には感謝するべきなのだと思います。

 なればこそ、私の直前に嫌な思いをしたであろう
パートのレジ打ちのご婦人からも、
怪しげなライダー装備の私に「お大事になさってくださいね」と
相手を思いやる笑顔の言葉が出たのだと思います。
  
  
 
 蛇足ですが、帰路に交差点を曲がると
横断歩道でもない場所に飛び出してきた男性を認め
普段ならば『なんでこんな所で…危ないなぁ』と思うような状況でも
カブを3rdギアのまま急停車させ、
”手でお先にどうぞ”とやると嬉しそうに渡ってゆかれました。

 直前に誰かの厚意を受けた事も少なからず影響したのだと思います。
まさに、”情けは人の為ならず”という事なのでしょうね。

 人と人の関係は、
あくまで思いやりから生じるべきものだと改めて思う出来事でした。

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