主にオートバイ。時々クルマ。
なんだかんだと永年のブログです。
風に向かう刻
気になるけれど放置している事ってありますよね。
誰しもお有りだと思います。
気にはなっているけれど、ついつい放置していること。
私の場合は肝心な場合以外はかなりいーかげんな性格なので、
その類は割と多い気もします。
そんな気になっている事の一つ。
今日は【エレクトロタップ】の処理を行いました。
ある配線に圧着する事で噛み込ませ、
そこの電流を並列の配線に取り出す事が出来る商品です。
一見、大変便利な存在ではありますが、
その性質上、信頼性に乏しく構造を考えるとあまりお勧めできません。
(画像のものはその中でもかなり悪い方です)
特にオートバイのような
熱や振動、紫外線などの苛烈な環境に使用するには不向きと感じます。
私を含めたド素人のDIYには確かに便利なのですけれども、
もしこんなモノを平然と使うバイク屋があったら
そこは一番大切な”業務の姿勢”として信用出来ない店でしょうね。
そもそも、なんでこの話かと申しますと
何を隠そう”私が2年ほど使用していた”からなのです(笑
当初は、いきなりバイクのメインハーネスの被覆を剥く事を避け
”作動テストがてら”という感覚で取り付けていたのですが、
2年の間を通して、数回の通電不良を感じたものの
場所がアッパーカウルの裏、メーターケース付近という事で
正直申し上げると、適切に処理するのが面倒だったのでそのままに。
ひとつ言い訳をすると、分岐箇所が仮にショートしたとしても
バイクの制御系に著しい問題が出ない場所を選んであった為に
さほど問題視していなかったという事もあります。
(制御マップ固定などの弊害はありますが)
とはいえ、気持ち悪いので観念して再配線を行うことに。
まずは、アッパーカウルを取り外す為に、
サイドカウルを外し、インナーカウルとの接合部を外してゆきます。
毎度ここの作業が一番ドキドキします。
そういば、バイクを買った店の店主さんも
「ここのツメよく折れるんだよなぁ・・・」とボヤいていました。
構造上力がかかる場所な上、複雑に噛み込んでいるので
力を掛ける方向に充分留意しないと破損してしまうのです。
それと、インナーカウル固定のクイックピンも外すのが大変です。
サイドカウルを外せば、アッパーカウル外しは簡単です。
左右のミラーと、スクリーンを留めるボルトのうち2本を外し
私のCBRの場合は、電装系のカプラーを9箇所外すだけ。(HIDなど)
余談ですが、図中の赤い矢印の部分が実に良く汚れます。
純正の場合はHONDAのロゴが入った黒いステッカーで隠れていますが
社外のスクリーンを使っていると汚れがモロに見えてしまいます。
掃除用具が入らないので、
ここの清掃をするには、スクリーンを外さないと出来ません。
まだ冬に比べると気温は高く、
樹脂製のカウルが柔らかいので、今回は比較的ラクに外れました。
エレクトロタップを使用していたのは、
アッパーカウル側のポジションランプ配線なので
外したカウルを部屋に持ち込み作業です。
実に美しくない取り出し方法でしょう?(笑
4箇所の内訳は、自作青色LEDバックライト用の点灯回路と
ELメーターパネルのインバータ用です。
一応、内部の端子が噛み込んでいる部分には
申し訳程度の半田処理などをしておきましたが、
数年を経て開けてみるとやはり確実とは言えない状態になっています。
大胆にメインハーネス側の被覆を剥き、
各々の導線を巻き付けた上で、半田処理を行います。
各々のラインを撥水性のあるドラフティングテープで絶縁後、
双方のラインを養生テープで覆い、
インシュロックで、テンションの掛かる場所と、被覆の隙間を固定します。
場所的には半田付け処理だけでも問題ないとは感じますが、
半田は振動などに弱い側面もありますので、
無用なテンションを避ける為に配線の集合部分を補強するのが目的です。
今までは、所謂”ビニールテープ”を使用していましたが
経年劣化で糊が簡単に変質し、粘着性が無くなる事が多かったので
敢えて今回はこのように変わった絶縁処理と致しました。
この段階で導通チェックを行い、通電確認後取り付けです。
まずは外したスクリーンをプレクサスで磨き上げます。
元来、航空機のキャノピー用ケミカルなので相性は抜群ですね。
相変わらずサイドカウルの内側はビッシリです。
ヒューズボックスやリレーボックスをはじめ、
インテークダクト用のバキュームチャンバやソレノイドバルブ、
サービスチェックカプラや、フロントハーネス用のカプラ、
HIDのバラストやら、電圧計・ナビ用の電源などがあります。
折角開けたので、
配線の整理を行いメーター裏の余剰配線もカウル内に収めます。
『まぁこんなもんかな…。』
NSR時代から3万5千円程の、汎用品のHIDを使用していますが
長めに設定されている高圧ケーブルを切断するわけにはゆきませんし、
他の自作ハーネスも長めにしてありますので折り畳みが大変です。
配線絡みの処理も終え、あとはカウルの取り付けです。
右側のカウルを取り付けるときに気づいたのですが、
ラジエータのリザーブタンク内の液が思いの外減っていました。
普段、カウルに完全に隠れてしまうタンクなので
こういう時にチェックをしないといけませんね。
一応インナーミドルカウル側から見えるようにはなっていますが
そもそも暗い場所な上、蒸発したクーラントの緑色が
タンク内に沈着していてあまりよくわからない事が多いです。
アッパーレベル付近まで水道水を補充してOKとします。
カウルを取り付け、車体の各所をざっとチェック。
問題が無さそうなので作業を終えようとしたところ・・・
リア回りの内側が随分汚いですね。
リアサスのリザーバタンクやスイングアーム、
センターアップマフラー特有の長いエキパイなどが泥だらけです。
先日のツーリングで、濡れた路面を走った所為でしょうが
普段の目線ではなかなか気づかない場所です。
最後に軽くリア回りを洗車して今度こそ完了。
そんなワケで、気になっていたエレクトロタップの除去が済み
”気になっていたけれど放置していたこと”が一つ解決致しました。
点灯テストも問題ないようなので一安心です。