ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




東武鉄道本社旧館。墨田区押上1-1。2008(平成20)年12月3日(3枚とも)

東武伊勢崎線の業平橋駅に隣接して立っていた東武鉄道の本社ビル。東京スカイツリーの建設に伴う整備によって、業平橋駅の北の京成線押上駅に近い場所にビルを新築してそちらに移った。引越しが終わってから古いビルを解体したのだと思うが、つい最近の2010年1月のことだ。
『日本近代建築総覧』では「東武鉄道本社旧館、建築年=1937(昭和12)年、構造=RC、設計・施工=清水組」。『東武鉄道>会社案内>沿革』によると、東武鉄道の創立は明治30年。明治32年に北千住-久喜で営業を開始。北千住-吾妻橋(現業平橋駅)の開業は明治35年4月である。明治44年4月に本社を現在地に移した。当時は本所区小梅瓦町。吾妻橋駅は明治43年に浅草駅と改称するが、本当に隅田川を渡って現在の浅草駅につながるのは昭和6年5月のことで、業平橋駅となったのもそのときのことだ。「昭和13年4月17日、本社社屋(現本社旧館)が完成」とあり『総覧』の記載とは異なるがたいした違いではない。
これという特徴がないので戦前建築のビルには見えない。『すみだ>写真で見るすみだの風景>昭和40年代』に「東武橋より東武本社ビルを望む」という写真がああって、それを見ると確かに古いビルだと感じる。解体直前の姿とどこが違うかというと「汚れている」というくらいの言葉しか思いつかないのだが。



北十間川の対岸からの撮影。写真右側のビルが「東武鉄道本社新館」ということらしい。


上の写真と同日に撮った東京スカイツリーの建設現場。
起工式(7月14日)から4ヶ月余りで、まだ基礎部分の工事中。それでも撮影場所の東武橋にはカメラを向ける人が何人かいた。当然ながら東部ビルを撮ろうとする変な人はぼく以外にはいない。

コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )