
日本館。台東区浅草1-24。1986(昭和61)年10月26日
すし屋横丁のほうから六区の映画館街に入っていくと、最初に左手に見える映画館だった。日本館を過ぎてから両側に映画館が立ち並ぶわけで、死角のような場所のせいか、一般的な本などでは日本館の写真をあまり見かけない。
大倉土木(現・大成建設)の設計・施工による昭和3年竣工の建物である。松竹のマークがあるから松竹の所有する劇場なのだろう。ほかの六区の劇場と比べると躯体自体は普通のビルに近いし、装飾もあっさりしている。竣工時もこんなものだったのだろうか。『日本近代建築総覧』の備考に「構成派的」とあるから、正面の立方体を組み合わせたような表現は竣工時のままなのかもしれない。
左:1987(昭和62)年4月4日、右:1988(昭和63)年5月1日
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