上砂理佳のうぐいす日記

7月18日(木)~23日(火)まで、茶屋町の「ギャラリー四匹の猫」で「夏への扉」展に参加します★

「完璧な日々」を見た★

2024-02-01 | うぐいすよもやま日記
全米フィギュア男子の感想を書く前に。
話題の映画「パーフェクトデイズ」を見てきました。和訳は「完璧な日々」?
京都シネマ会員になっているのですが、満席って初めて見ました。老若男女さまざま。やはりアカデミー賞話題だからか役所広司のネームバリューか。

淡々と同じような毎日を送る、公衆トイレの清掃の仕事をしている初老の男が主人公です。
東京の公衆トイレでも特におしゃれで綺麗なところばかりで全然汚くない?役所広司演じる「平山さん(だっけ?)」の、昭和テイストなシンプルライフがこれ、いいんですわ。大好きな音楽を聞くのは仕事に行く車の中で、カセットテープ!今、再生デッキついてる車あるんだろか。
いちいち不便で時代遅れの生活が、実はとても幸せ~に見えてくる。
テレビもパソコンもスマホもお風呂もない、超古いアパート住まいですが常に清潔で整理整頓されています。家具も最小限。
外から摘んできた草の芽を大事に大事に(土つきで)持ち帰り、部屋の真ん中のグリーンコーナーで育てています。
趣味はアナログカメラで「木漏れ日」を撮ること。
銭湯、コインランドリー、大衆食堂、古本屋、ママのいる小料理屋(バー?)を自転車でめぐること。

毎日真面目に生きていく一人暮らしの平山さんですが、ごく少ない他人との交わりが、キラキラと生活を彩ってくれます。
「生活」を構成する要素がこれだけ少ないと、そのひとつひとつを丁寧にこなすし、自分にとって何が大事で幸せなのかが、自然と見えてくる。
親族とも別に喧嘩してるわけではなく普通につきあっていますが、彼には「見えている世界」が違うのでした。
一見、底なしの貧乏で社会の一番下に位置するような人生でも、本人が幸せならばそれ以上何を求めるのか。
役所広司の表情が良くって、絶妙なさじ加減の演技です。
モノクロのぼんやりした映像が所々に挿入され、懐かしのポップスが流れてくる。
ああ、やっぱりヴィム・ヴェンダースだな~。おしゃれ~。この情趣ね。
最後にヴェンダース監督のメッセージが映されて「なるほどなあ」と。

四条烏丸の「古今烏丸」というビルに京都シネマはあるのですが、同じ三階フロアにdddギャラリーという広いスペースがあります。
今は、3月まで「MIRROR/MIRROR 」という現代版画展をやっております。日本とカナダの作家のコラボで見ごたえたっぷり。オススメ!★
コメント
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