上砂理佳のうぐいす日記

10月5日~16日まで大阪狭山市の「ギャラリー美游館」さんで銅版画オンリーの個展があります。お近くの方はぜひ★

人がハイになる時★

2017-09-05 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
「僕たちがやりました」もう今夜で第8話ですが、その前に第7話の感想を少し。

屋上から飛び降りたトビオは、大木にひっかかって奇跡的に骨折だけで済み、やけにハイテンションな積極的な人間へと変貌。
「死んだら、それで罪を償える」「生きてたら、新しい人生を始めよう」そんな賭けに出た…というのは後付けの理由で、彼はやっぱり「生きたかった」のではないでしょうか。
だって「死にたかった」のなら、病院で目が覚めたとき「生き残ってしまった」自分に絶望するでしょうから。。。
なんだかんだ言っても生への執着は残ってる。
だから過去を封印して、「おニューな自分を楽しもう」という気持ち。

病気や怪我から回復した時、「ああ生きてるだけで有難い」「健康って素晴らしい」と、普段は余り思わないた感情が湧いたりします。その時、人はハイになる。もう、「なんでも出来る自分!」って感じ。
トビオも少なからずそんな「生き残りハイ」が入ってるのかな、と。
「あんだけ(逃亡生活で)苦労したんだから、残りの人生、幸福になってトントンだ」という、ムチャクチャな理屈を語りますが、この辺りはもう少々「狂ってるな」感があります。

でも、「明るく元気で前向きな俺」はどこか上滑りしていて、同じ病院でリハビリ中の市橋への接近も、何かヘン?
蓮子を罪人の自分とは遠ざけたいのか、はたまた市橋への贖罪なのか。
市橋と蓮子がくっつくように仕向け、自分は病院のリハビリの先生とデートしてしまう。
トビオの一連の行動は理解し難いけど、でもきっと、「真新しい幸せな自分」に変身しないことには、罪の重さに押し潰されてしまうのでしょうね。

その間、伊佐美は亡くなった被害者宅を一軒一軒まわり、仏壇に手を合わせ「あいつとは…親友でした…」なんて大ウソつきながらも(会ったこともないのに)、自分の苦しみを消そうと奔走するのでした。
この辺完全に自己満足なんだけど、やらないよりはやった方がいいのだろうか…でも今宵ちゃんがどうもおめでたみたいで?伊佐美は遂に現実を突きつけられる!?

マルはマルでますます「自分は悪くない!」と、「反省ゼロ」の態度。
パイセンと仲良くしてるのは、「金づる」と切れては困るからだよね…案の定パイセンをおだてて、さらに40万円をせしめて意気揚々と熱海へ…でも暴漢に襲われる!あの男だー

パイセンはもう、事件のことよりも、「父が自分を愛してくれているのか否か」に囚われています。飯室刑事に言われた「お前は父親に愛されてない」が、ひっかかっているのでしょうね。哀れで泣けてくる(++)。
菜摘先生はパイセンと会い、自分が昔、両親をパイセンの父に(間接的に)殺されたことを告白します。そして復習を果たしたいことも…。
二人は、それぞれ目的は違えども、「闇社会のドン」であるパイセンの父に会いに行かねばなりません。次回で大きな展開がありそうです。

トビオは退院して、自分の家までやってきた連子とバッタリ。
連絡もせず(ひどい)、他の女子とデートまでして、サイテーなトビオですが、やはり好きな気持ちに蓋は出来ない!
あくまでも受け身のトビオが情けないけど、「家来る?」と言われたら普通行くよね。男なら(笑)。
蓮子さんのご両親はどうしているのかしら…(夜に男子がいきなり部屋に来ちゃっていいのか)謎ですが、とにかく二人は結ばれて、幸せいっぱいなはずなのに、涙を一筋流すトビオ。
幸せの涙じゃないよね。。。自分の愚かさとか、蓮子に申し訳ない、とか。
飯室刑事の「幸せを感じるたびに思い出せ。罪を」の言葉を、実感として噛みしめてるのか。
愚かだけど、最後のこの涙で、なんか許せる気持ちになってしまった(笑)。

しかし、4人のそれぞれの生き方が、「ああこういう人いるなあ~」ってリアルで、自分ともリンクする部分があるから見てしまうのよね。
人って、いっぱい愚かだと思いますよ。
大人になったら、なんとか誤魔化して「立派なように見せる」ことも出来るけど、若い時って「剥き出し」だもの。
揺れるトビオの心情は、さて次回どうなる★
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする