東日本大震災から3年目を迎えました。
みなさんは、今年の3月11日 14時46分の
その時をどう過ごされましたか。
私は、澄み切った空に雄大にそびえる富士山を見ながら
新幹線で静岡県の島田市へ。
本当に珍しいほど富士山の裾の方もよく見える日でした。
静岡大学教育学部附属島田中学校へ、
卒業を控えた中学3年生達の最後の美術の授業にお呼びいただきました。
授業の前半に、その時が訪れ、みんなで黙祷をしました。
静岡大学教育学部附属島田中学校の美術の授業に呼ばれたのは、
本当に不思議なご縁で
昨年のはじめに、静岡県立美術館でワークショップをしていたところ、
付属島田中の美術の教員である先生が、
たまたま美術館に訪れていた所から始まりました。
前年に行われた、駿府博物館での私の展示を見た生徒が
夏休みの宿題で、その事を書いて来たのを思い出し、
声をかけて下さいました。
そこから先生は4月からの中学3年生の美術の授業を
1年を通して「命の輝き」をテーマに、
切り絵の手法を取り入れて下さいました。
生徒さんたちの作品。
2年生最後の修学旅行に訪れた沖縄のひめゆりの塔で学んだ事もふまえ、
3年生での授業に、
戦争や命、平和などについて考えて作品制作を行ったそうです。
夏には、私のワークショップに先生方が実際に参加して下さり、
切り絵について学んでくださいました。
そして、1年間取り組んだ美術の授業の最後の締めに
実際の作家を呼び、本物の作品も見て、話を聞くという
一貫した素晴らしい取り組みをされたのです。
左が私。真ん中が美術の先生。右は静岡大学の先生。
小学校では図工、中学校では美術とあるわけなのですが、
義務教育が終わる高校からは美術は選択になります。
美術はこれで最後になる子達もいます。
そういった新しい門出をむかえた生徒さん達に
美術の大切さを伝えてほしいとの事で、ご依頼いただきました。
やはり、中には「美術って必要なの?」と思う子もいるそうなのですが、
先生は人間形成において美術はとても必要な物と捉えていて、
それを最後に伝えたいという強いお気持ちと情熱がありました。
静岡大学の付属ということで、研究も兼ねているので
すごくしっかりした意図とカリキュラムが組まれており、
その集大成に呼ばれ、
しかも多感なお年頃の中学3年生ということで
重大な役を任されたなあと緊張しました。
プレッシャーを感じましたが
無事に授業を行ってきました。
私が作品のテーマにしているのも「生命力」。
「命の輝き」をテーマにした美術の最後の授業が
3年前に多くの人の命が奪われた東日本大震災の当日で、
深く考えさせられました。
震災直後は、
正直、アートという物が何の役に立つかわからなくなった時期もありました。
でも、時間が経つにつれ
食べ物や医療を越えた部分で
美術、アートには人を再生する力があると信じるようになりました。
言葉では表せない物を表現できるのです。
それは人間にしかないものです。
高校になって美術にふれあう機会が無くなっても、
ここまで美術をやってきたことは、確実にその子の糧となっているはずです。
私の中学時代は美術の授業に救われていたと言えるくらい、
自分にとって重要な時間でした。
自分自身と向き合う事のできる大切な時間です。
そのことを上手く伝えられたのか、わからないのですが、
私なりにお話をさせてもらいました。
作品鑑賞。
みんな、1年間切り絵をやってきているので、
とっても興味深く見てくれました。
私にとってもとても貴重な体験でした。
先生方、お呼びいただきありがとうございました。
控え室にて。
サインを欲しいと言ってくれるなんて、ありがとうございます!
みなさん、卒業おめでとうございます。
これから大きく大きく羽ばたいて下さい!!!
そして、こちらも3月11日に
昨年に続いて第2弾が発売されました!
売れっ子漫画家さんたちが描く
「ストーリー311」です。
私が何したって訳ではないのですが、
知り合いである漫画家のひうらさとるさんが発起人となり、
増賀マネージャーが実行委員として取材に制作に奮闘しております。
この表紙の絵からもグッときてしまうのですが、
第一弾後のお話が描かれている物もあったり、
今回は福島の原発にも取材に行っており
それぞれの震災にあった人々の心が描かれています。
ぜひぜひお手に取ってください。
印税は被災地に寄付されます。
漫画だから描ける事。
こうした活動は、頑張って続けて行ってほしいなあと思います。
応援しています!
さてさて、我が家の新しい生命体も確実に成長を遂げております。
5ヶ月を過ぎ、こんな活発な感じになってきたので、
寝返りするのも時間の問題だなと思っていたら、
先日ころっとやっていました。
赤ちゃんってなんか、本当にすごいですよね~。
「命の輝き」を感じます。