福井利佐blog

切り絵アーティストの日々

口琴

2008年02月13日 | 過去のBLOG記事

先日、口琴のコンサートに行ってきました。
「口琴 (こうきん)」 とは書いて字の如く 「口」 で奏でる 「琴」 の楽器の事です。
この楽器、実は世界中の至る所にある楽器で、16世紀に活躍した画家ブリューゲルの
「子供の遊戯」 の絵などにも登場している昔からある楽器です。
日本ではアイヌ文化でムックリという竹でできた口琴が有名です。
主にユーラシア大陸を中心に普及している楽器なのですが、
国によっては神聖なものとして存在しており国民楽器だったりするのです。



私が見た演奏会の中では、ロシア連邦の1つサハ共和国が国の楽器として
大統領お抱え奏者などがいるくらいでした。
楽器は知らなくても 「ボヨヨ~ン」 という音を聞けばみんな知っている音です。
効果音としてよく使われています。
今回、私が聞きに行ったのはキルギス共和国のテミルコムズという口琴でした。
キルギスではコムズという三弦のギターのような楽器が国で最も重要な楽器とされ、
テミルコムズはテミル (鉄) のコムズとして2番目に重要な楽器とされています。
木製の口琴もあり、こちらは日本のムックリととても似た形をしています。



口琴演奏会は何度か聞きに行っているのですが、この日はカリマンさんという
初の女性演奏者でした。三弦のコムズと口琴の両方を演奏してくれました。
この国の独特の演奏法らしいのですが、演奏しながら手の振り付けがあったり、
楽器を縦にしたり横にしたり、パフォーマンスで 「見せる」 演奏法でした。
演奏する曲目もとても素朴で 「鳥のさえずり」 や 「馬の走る音」 など、振り付けがつくと
さらに情景がひろがるような曲目でした。
最後にはヤギの木製からくり人形をひもでひっぱりながら演奏する曲があり、とてもかわいかったです。
特に遊牧民族でこの楽器は盛んな印象を受けます。
ホーメイ (倍音) と同じように単純なのに不思議な音が出て、振動弁は1つしかないのに
いろいろな音階がだせます。移動するのにこの手のひらサイズが便利で、
かつ草原の中で演奏するのにこの素朴で不思議な音色がマッチしていたんでしょうね。
今回もとてもおもしろく、素敵な時間が過ごせました。




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私が持っている口琴。これはサハのホムス。
左側を手で持ち、右側を口にはめ、一番右側に出ている弁をもう一方の手で奏でます。
アイヌのムックリはここがヒモになっており、ひっぱる振動で奏でます。



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ひっくりかえした所。私は音くらいは出せますが、演奏するまではできません。
名人になると、2重に音がだせます。



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口琴とは違いますが、笛つながりで私の持っている鳥笛です。
フランスのケルベルカンパニー社のハンドメイドの笛です。
箱の横側についている絵の鳥の鳴き声が出せます。



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こちらはキジバト。



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こちらはマガモ。



フランスの会社なのでヨーロッパ辺りの鳥が多いです。
私は日本いる鳥の種類を選んで持っています。
最初は友達にプレゼントとしてあげていたのですが、
そのうち自分のものとして欲しくなってしまいました。
箱の鳥を見ると、どんな素材でどんな形でどんな音が出るのか
見たくてたまらない衝動にかられてしまい、
毎日お店に行ってどれを買おうか悩んでました。 (輸入物なのでお値段がはります。)



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そして、極めつけはこれ。ホシムクドリの大群です。
この絵を発見したとき、どんな素材でどうやって音出すんだろー!というワクワクがピークでした。



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中身はこれ。ゴムのチューブに笛がついてます。
これを振ると大群な感じが醸し出されます。納得。