バイオの故里から

バイオ塾主宰・Dr.Kawanoの日々、収集している情報(DB原稿)をバイオ塾メンバー向けて公開しています。

インフルエンザとミトコンドリアの関連解明

2014年08月21日 | 感染症 ワクチン 抗生物質 食中毒

ミトコンドリアはエネルギーを作りだす重要な細胞内小器官である。インフルエンザウイルスが細胞内に侵入した際にウイルスが作りだすタンパク質の働きで、そのミトコンドリアの機能が著しく弱まっていることを、九州大学大学院理学研究院の小柴琢己(こしば たくみ)准教授らが分子レベルで初めて解明した。

インフルエンザ対策を進める際の手助けとなる発見として注目される。九州大学医学研究院と東京大学医科学研究所との共同研究で、8 月20 日付の英オンライン科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表した。Science Porta;.,2014年8月21日

中国人医師、膀胱がんの再発・転移のメカニズムを解明

2014年08月21日 | 癌 ガン がん 腫瘍
 膀胱がんは泌尿器科で発症率が最も高い悪性腫瘍だ。上海第十人民病院は20日、同病院の泌尿器科専門家の鄭軍華氏と復旦大学上海医学院教授の劉秀萍氏が率いるチームが、膀胱がん浸潤・転移のメカニズムの研究で画期的な進展を実現したと発表した。同チームは腫瘍細胞の「特別通行証」、つまり上皮間葉転換(EMT)の関連遺伝子を発見した。これにより膀胱がんの再発・転移のリスクの早期予測が可能になるかもしれない。中国新聞網が伝えた。 Science Portal China.,2014年 8月21日



同種造血細胞移植、中国がドナー選択の法則を発見

2014年08月21日 | 細胞と再生医療
 同種造血細胞移植は悪性の血液病の治癒で最も効果的な手段であるが、「両親が子供に、子供が両親に」などのハプロ移植は、「いかに最良のドナーを選択するか」という問題に直面している。北京大学人民病院が20日に発表した情報によると、北京大学血液病研究所所長の黄暁軍氏が率いるチームは10数年間の研究を踏まえ、ハプロ移植のドナーの「選択の法則」を見出し、移植後の合併症の発症率を引き下げ、患者の生存率を高める「北京モデル」を形成した。関連論文はこのほど、世界の血液学の中でトップクラスの専門誌「Blood」に掲載された。光明日報が伝えた。Science Portal.,2014年 8月21日


中国のエボラウイルス検査試薬、新しい特許技術を採用

2014年08月21日 | 医療 医薬 健康
 中国人民解放軍軍事医学科学院は20日、同学院放射輻射医学研究所が、エボラウイルスDNA配列に基づき開発した、知的財産権を持つ「エボラウイルス核酸検査試薬」が、解放軍総後勤部衛生部の専門家による承認審査をパスして、正式に生産体制に入ることを明らかにした。同薬の生産を担当するのは、深セン市普瑞康バイオテクノロジー有限公司で、中国がエボラウイルスの初期診断と予防・コントロール施策を行う上で、技術面での重要備蓄物となる。人民日報が伝えた。Science Portal China.,2014年 8月21日

iPSのパーキンソン病治療、4年後に治験計画 京大

2014年08月21日 | 細胞と再生医療
 iPS細胞から作った神経細胞でパーキンソン病の治療を目指す京都大iPS細胞研究所(CiRA)の高橋淳教授は20日、作製する神経細胞の薬事承認を得るため、2018年度にも治験を始める構想を明らかにした。承認が得られれば、品質の安定した神経細胞を製品として流通させることができ、再生医療普及の大きな足がかりになる。朝日新聞(Web版)2014年8月21日


組織拒絶性の少ないヒト細胞素材によるインテリジェンス膵島の作成

2014年08月21日 | 細胞と再生医療
組織拒絶性の少ないヒト細胞素材によるインテリジェンス膵島の作成および移植技術の開発

 組織拒絶性をほとんど示さない羊膜の幹細胞から、糖尿病治療薬としてインテリジェンス膵島の開発に着手した。
 幹細胞は、種々の細胞に分化するが分化効率が低いことが大きな問題である。インスリンなど膵島内分泌細胞に分化する細胞は、分化過程でネスチン陽性細胞になる。羊膜に多く含まれるネスチン陽性細胞の細胞表面マーカーを明らかにし、本細胞を選択的に単離することにより分化効率の向上を目指した。さらに、移植した細胞によってもたらされる過剰反応や異所性の問題を解決するために、細胞の生存が可能で分泌物のみを透過するカプセルを開発し、継続的なインスリン分泌と、着脱可能な移植方法を検討した。J-Store >>Technical Eye


CHO細胞で高速・確実なタンパク質生産を可能にするシステム

2014年08月21日 | 酵素・蛋白質・ペプチド・核酸

 ライフサイエンス分野ではCHO細胞等で生産された高品質なタンパク質の需要が多いが、多大な生産コストを要する。本技術はCre-lox部位特異的組換えを用いて高速な増幅反応ダブルローリングサークル型複製を高効率に誘導し(図1、2)、高品質タンパク質を生産できる初めてのシステムである。
 バクテリア人工染色体を拡張性の高いベクターとして利用し、増幅・発現に適した染色体部位での確実なタンパク質生産、GFPを利用した高発現細胞の回収、発現の持続安定化を可能にしている。J-Store >> Technical Eye

様々な酵素の活性を蛍光で評価できる分析キットの開発

2014年08月21日 | 診断 分析 検査 予防 実験動物

 酵素反応の活性評価は、酵素を利用する多くの産業分野や医薬品開発において重要なステップであり、酵素の活性を迅速かつ容易でしかも安価に評価できるシステムが求められている。そこで本研究では、蛍光色素を内封した小胞体(リポソーム)と、高い分子膜透過性を有する分子(ポリアルギニン等)を用い、酵素活性評価システムの構築を目指した。J-Store >> Technical Eye

指先触覚による認知症早期診断装置の開発

2014年08月21日 | 医療 医薬 健康

 近年,認知症患者が急増し社会問題になっている.認知症は高次脳機能障害であり,「見えない障害」と言われて,早期診断方法がまだ確立されていないのが現状である.呉らは初めて触覚による角度弁別実験で健常高齢者と認知症患者の間に顕著な差を発見し,指先触覚による認知症早期診断法を提案した.この検査を行うときに対象者は,図1に示すように,指先だけで触覚凸状の刺激を触り,触覚弁別機能を検査する.環境風景に影響されやすい視覚情報を用いた検査および環境騒音に影響される聴覚情報を用いた検査より,人間の認知・記憶能力を正確に評価でき,従来の知能テストより検査の正確性が高いことが実証されている.J-Store >> Technical Eye

誰でも簡単にわかりやすく測定できる糖センサーの開発

2014年08月21日 | 診断 分析 検査 予防 実験動物
 近年、糖尿病などの生活習慣病が世界的に拡大しており、その対策が喫緊の課題となっている。そのためには、体液中の糖濃度を低コストで簡便かつ正確に測定できる手法の構築が不可欠である。
 本研究では、ボロン酸を糖認識部位として用いた薄膜を作製し、様々な色素で染色することにより、サンプル中に浸すだけの簡単な操作で糖濃度を測定できる糖検出チップを開発した。本チップは、サンプル中の糖濃度が上昇するにつれて、緑→黄→赤と明瞭かつ多彩な色調変化を示す(図1)。
 これにより、目視による簡便で正確な糖濃度測定が実現し、糖尿病予防・管理に向けたパーソナルユースの糖センサーとして利用されることが期待できる。J-Store >>Technical Eye