ドラッグストアに行くたびに、コンビニにおける発泡酒類並みの短サイクルで商品の顔ぶれが変わっているのがシャンプー、リンス、コンディショナーなどヘアケア製品の棚。
先日からアメジスト(紫水晶)のことばかり考えていたので、菖蒲色の表紙に惹かれて、花王Segreta(セグレタ)のパンフをもらってきました。
“ご自由にお取りください”のお言葉に甘えてタダものは積極的に頂戴するけど、本商品速攻買っては来ないのが、賢い消費者。ってなもんでぃ。
中を開くと、完全に30代後半以降向けの、アンチエイジング商品です。石榴(ザクロ)・真珠・薔薇・王乳(ローヤルゼリー)・按葉(ユーカリ)エキスなど、“人より高級なモノを使ってるワタシ”が大好きだからね、この年代の女性って。
ホテルスパやスーパー銭湯にも持って行くマイ・シャンプー、月河はカネボウのクローチェ柔らかい髪用をもっぱら愛用していました。
“11種類の和漢植物エキス”ウンヌンより、洗い流した後のツルツル感がいままでのシャンプーにはない感触で、当時ひどくなっていた枝毛裂け毛も着実に減った気がしたし、何より、ほどよく柑橘っぽい残り香が気に入っていました。
それが、間もなく発売当初の黄橙色のパッケージが、肌色と茶色のなんだかお地味なデザインに変わってしまい、えー前のほうが良かったのに…と思ったら、アッと言う間に近隣の店頭から消滅。
想像ですが、たぶん他社の後発商品が、そっくり同じではないけど似かよった色系統パッケージを採用、区別が付きにくくなることを警戒してデザイン変更に踏み切ったことが、かえって影を薄くさせてしまったのではないでしょうか。ヘアケア製品だけではなく、衛生用品、洗剤、清涼飲料水、栄養ドリンクなど、競合の激しい分野では良くある現象です。
昨年からネット環境になったので調べてみると、もうクローチェのサイトはなくなっているし、オンラインコスメショップではまだ買えるようですが、作り置きの在庫品を送料手数料費やして取り寄せてまで買う気もしなくなり、最近は浮気しまくっています。
P&GのDove(ダヴ)は潤い感はたっぷり過ぎるくらいたっぷりだったけど肝心の洗髪中の泡立ち、泡切れが良くなく、洗っているというよりいきなり乳液塗ってるみたい。資生堂マシェリは洗い上がり後ドライヤーをあてたときのツヤ感は感じられるものの、洗髪中も後も、香りが甘すぎ強すぎて参りました。
痩せてコシのなくなった髪をキトサンでコーティングしてヴォリューム感を出すというフレコミのウエラクリニケアも、期待して買ったんだけど、試そう試そうと思って試す前に店頭から退場。…こうなると、なんかね、髪をきれいに、状態を良くしようと「オマエ真剣に思ってないだろ」と自分に喝ーっ!だね。こちらはヘア専門メーカーの製品なので、向こうから田舎のドラッグストアに早めに見切りをつけたっぽい。
それから、宮沢りえさんのTVCMで思わず目がハートになった資生堂FINO(フィーノ)。一度使ってみたいと思って、もう2年ぐらい経ったのかな。今日、まだストアにあったっけ。
こんな中、03年秋から飛び飛びに使っている花王アジエンスと、それよりはるか前「髪を弱いものと考える。」というキャッチコピーが静かに衝撃的だった資生堂スーパーマイルドが、試用済みブランドの中ではいちばんの定番になっているようです。
スーパーマイルドは香りが控えめなこと、すすぎに時間がかからない、ほどほどの濃度で目鼻への刺激も少ないことが高齢家族にも好評。アジエンスは月河含めてもっぱら女性軍が使っていますが、やはり香りに支持が集まっています。フルーティー系でも柑橘系の酸っぱさが少なめ。シャンプー類の残り香としてはコロンブスの卵的調香ではないでしょうか。
月河はウチの女性軍ではいちばん髪が長いので、洗い上がりの肌理の揃い方、ハリ・コシ感ではやはりかつてのクローチェに一歩を譲るかな…という物足りなさはあります。シャンプーの後、トリートメントをつけるまでの間、ちょっと髪がクタッとなってもつれる感じがあるんですね。クローチェ柔らかい髪用では、このクタッがなかった。
それでもアジエンス、褒めてあげたいのは、2年前ぐらいのリニューアルのときにも、パッケージデザインを大きく変えなかったこと。シャンプーはクリームゴールド、コンディショナーとトリートメントはアースゴールド、色を変えないということは、他社競合品にこれ系の色を使わせないという自信、競馬で言えばかつてのアイネスフウジン、ミホノブルボンやキョウエイマーチみたいな、「ついて来ようとするヤツがいたら、そいつのほうが先にバテる」的磐石の自負が感じられるだけでなく、店頭で「いつものアレ、ドコ行った?」「なくなっちゃったの?」と探し迷わないという買い手側のメリットもあるわけです。
まぁ、“髪を健康に、美しく保つ”ことを追求するなら、シャンプーだトリートメントだをアレこれジプシーするよりも、「カラーリングをやめる」。これだけで髪は数倍、数十倍健康になります。間違いありません。
コレ言うと「アンタは白髪がないからそういう勝手なことを言うのよ」「肌を若く健康に保つにはファンデ塗らないことが一番、って言われたら、アンタ素ッピンで通せる?」ともんのすごい顔で詰問されるので、あんまり言わないようにしてるんですが、ホントなんだってば。
月河も80年代後半頃は御他聞にもれずきつめのソバージュにしていて、当時のお宝(“逆お宝”か)写真を見ると、スープがたっぷりからみそうな縮れ麺の札幌ラーメンみたいなアタマをして愧じるところがなかったわけですが、まーね、面白いように抜ける、切れる、裂ける。
当時はバブル期OLで、貰い過ぎなくらいのお給料をほとんど自分のために遣っていましたから、都心のサロンでトリートメントつきのパーマを毎度毎度かけていましたが、毎朝のスタイリング、シャンプー後のドライヤー、ブラッシングのたびにブチブチ、静電気パシパシ、いま思い返すと身の毛がよだつような惨状を呈していました。
90年代の退職とともにパーマはゆる巻きで年2回程度にすると、これまた面白いように髪にツヤが戻ってきて、伸びるのも早くなりました。要するに、肌におけるメイクと同じで、人工的な手を加える度合いが増すほど、ダメージは大きく、不健康度が高くなる。
ヘアケアメーカーも、一方で茶髪のモデルさんを大量投入しておシャレ白髪染めとかカラーリング用品を売り込み、もう一方の手で「髪が傷んだら、ツヤと輝きを回復」と、薔薇やらローヤルゼリーやら和漢植物ナンタラ入りのシャンプートリートメントを売る。ずるいよねー。
どうするかな。Segreta。いま読んでいる『ハンニバル・ライジング』にも紫夫人って出てくるし、紫つながりで一度使ってみるかな。いちばん小容量のパッケージはハウマッチ?…ってパンフにお値段いっさい書いてないよオイ。ホント悪辣だわ。
『麗わしき鬼』61話。大詰め前のひとときの静けさという感じでしたが、鉄面皮アホ全開の那波(松田賢二さん)を太郎ちゃん(山口翔悟さん)が「あの男は俗物ですよ」ときれいに一刀両断してくれました。
太郎ちゃんは洵子姉さんにひそかに異性としての恋愛感情を持っているので、図式的には公平でないのですが、これまでの流れを見る限り、那波みたいな無神経な下半身先行男でない、賢明で頼り甲斐のある花婿候補が現れれば、「淋しいけれど洵子さんが幸せになれるなら」と喜んで祝福してくれたと思う。そのために自分が他の女性を好きになるのは遅れるかもしれないし、麗花のような思い上がり押しかけ彼女志願はムキになって拒否するかもしれませんが、彼自身はそれで満足でしょう。
洵子が本心から那波を愛しリスペクトしているとは思えず、むしろ行きがかりの流れで、自分で自分の尻拭いをしているに過ぎないこと、悠子とのしこりをきちんとして再出発できる問題解決能力や決断力が、那波という男から感じられないことを、太郎は見抜いている。
洵子が「あなたは弟なんだから」と言ったときの、太郎の悲しそうな顔ったら。洵子、違うんだよー。太郎ちゃんが「ボクだって言わせてほしい」と言う“本心”とは、洵子とオスメスになってどうにかなりたいってことじゃないんだ。そんなんなったら、血のつながりはなくても戸籍上の姉弟、どちらかが籍を抜いて他人の養子籍に入らなければならず、英矢先生や啓子さんがまた病院の後継がらみで大騒ぎするに決まっていて、常識人の太郎はそんなこと望んじゃいないと思う。
彼の願いは、多感で心揺れ動く受験生時代に憧れの目で見ていた、賢く優しいお姉さんの輝き(←かなり痘痕もエクボ入ってるが)を濁らせないでほしい、ということだけなのに。どうしてわかってやれないか。洵子の頭の中はどうも“下半身本位制”なんだな。
今日は、那波の洵子に伴われてのバカヅラ表敬訪問時における啓子「アナタたち妊娠までした仲なのに、いまさら結婚式とか披露宴とか必要あるの?なんだか白々しいわ、ワタシたちだって結婚式はしてないのよ、ねぇアナタ」に英矢「…あのときは、なし崩しだったじゃないか(←遠い目)」に軽く笑いました。
ホント、CM明けいきなり家紋入りの喪服着て主婦してたもんね、啓子さん。あのCMの間がなし崩しのハイライトだったんだろうけど、英矢先生自身もお盛んで、自分から“崩しに行ってた”からなぁ。それも込みで思い出して遠い目になっちゃったんでしょうね。
IKIで太郎と鉢合わせした悠子の「しばらくです、そのセツはいろいろとお世話になりまして」もなにげに、なかなか言えないセリフではある。ムリヤリ穏当に言えば“熱しやすく冷めやすい”っての?暴れる荒れる→号泣反省のリフレイン、コレやっぱり実父・義正譲りだね。洵子もそんなところあるもんなぁ。性溺→ケロ忘れ、のリフレイン。