イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

働く男はカッコいい

2008-07-18 22:26:21 | 朝ドラマ

NHK『瞳』の将太くん(中村咲哉さん)は、どうやら無事実母(小池栄子さん)とお祖父ちゃん(田中健さん)に引き取られて伊豆大島へ行くことになったようですね。“子を持って知る親の愛”とよく言うけれど、利男お父さんが娘の自分をどうでもよくてお母さんと離婚したのではなく、ずっと心にかけてくれていたこと、漁船に乗るときは自分の写真をお守り代わりに持っていたことを知って、精神年齢発達のある部分が情緒不安定な子供のまま止まってしまっていた美紀恵さんも初めて「自分も将太を愛する親であらねば」と実感したのではないかな。“子を育てるために必要な心のありよう”って結局、親から子へ伝承されるのがいちばんいい形ですよね。

お母さんと伊豆大島へ行くか、いまのまま月島で暮らすか、どちらがいいかと問われて「ボクお母さんと一緒ならどこでもいい」と将太くんが答えたときの、勝太郎お父さん(西田敏行さん)と瞳(榮倉奈々さん)の“やっぱりか…”“でも将太、自分の意志でよく言った”“お母さんには勝てないね、勝ち負けじゃないけどね”と万感こもった微妙な笑顔もよかったし、「将太が引っ越す前に、明お兄ちゃん、友梨亜お姉ちゃんと一緒に皆でどこか行こうか」との提案に「いつもと同じがいい」との結論、でも残り1ヶ月を切って明くん(吉武怜朗さん)が「月島にいるうちに、僕の好きな場所に将太を連れていってあげたい」と言い出し、瞳「じゃあいちんちだけ将太連れ回しちゃおうか?」となったくだりもよかった。

実のきょうだいとは違う他人同士、縁あって愛情深い里親さんのもとで一緒に暮らすようになった里子たちには、どこかで“いつもと同じ普通の日々”にも“いまだけの一期一会感”があるんでしょうね。

展開が行き当たりばったりだとか、里親里子システムの扱いや紹介ぶりが通り一遍で浅いとか、鰹節屋ジュニア・勇蔵(安田顕さん)がしばしば見せる褌姿が朝から見苦しいとか、ネット上ではあまり評判の良くない『瞳』ですが、要所ではじわっと来たり考えさせる場面がちゃんとある。月~土オビ、週6話で半年=6ヶ月もあるんだもの、少しぐらい脚本が緩くても、ぬるくてもいい。むしろ当然じゃないですか。

「これこれこういうメッセージを入れ込んで、こっからここまでを舞台にこれこれこのキャストで、26156話、各15分テーマ曲OP抜いて1415秒よろしくね、じゃそういうことで」って言われたら、月河ならアタマ抱えるな。ひゃくごじゅうろく話。何をどうして引っ張ればいいんだ。自殺しちゃうかも。

1分ぐらい埋め切れないスペースが空いて、“まゆげ猫”でどうにかしようごまかそうってことになっても仕方ないんじゃないかな。

それにしても、曲にも振り付けにもメリハリないな“まゆげ猫”。一度見たら忘れられない突飛なポーズとか発声とか、サプライズがなんにもない。ウケてるのかウケてないのか。

いままで観た中でいちばん好きなのは夏コンの練習に余念ない瞳に見せようと里子さんたちが“まゆげ猫”を練習しているときにローズママ(篠井英介さん)が通りかかった場面ですね。将太「おじさんは、おばさんなのーー?」がよかった。

その後の「人間よー!」「ボクもー!」「じゃーお友達ねー!」は蛇足だったけど。

コメント
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