お待ちしておりました『金色の翼』本日(2日)放送開始です。例によってリアルタイムでは観られないので夜の録画視聴ですが、結構、世間の反応はいいみたい。
根拠は?…実は今日午後2:00過ぎに出先のPCでこっそり“いま現在の注目№1キイワード”のベスト5を覗いたら、3位か2位に来てましたから『金色の翼』。上々のスタートのようです。
青空と蒼い海をバックに飛ぶ鳥をフィーチャーしたOP映像、ジプシーキングスのカバー『Bamboleo』のリズムが一気にトロピカルリゾート気分、離島の秘め事ムードたっぷりな幕開け。
今年は9月の終わり、秋風が吹くまで、この曲とこの映像が生活の句読点になるのだなぁ。
舞台となるホテルのしつらえ、冒頭の飛行機墜落のイメージCGなどが例によって昼ドラサイズにチープ…て言うか予算コンシャスでこぢんまりしている辺りは目を瞑っとくとしましょう。
ヒロイン・日ノ原修子(ひのはら・しゅうこ)役国分佐智子さん、“遺産300億$の未亡人”にしてはちょっと庶民的に楚々とし過ぎでセレブっぽさが足りないかな?と思いきや、どうやら修子というキャラ自体が、未亡人となる前から何らかの渇望感、自由になりたいという焦燥をいだいていた設定のようなので、リッチゴージャスにおさまり返れない、そこはかとなく頼りなげな佇まいはむしろ役に合っていそう。
ひとりホテル内を散策するうちバードカービングの並ぶ無人の部屋に迷い込んだ今日終盤のシーンで、触れれば棘さすの見りゃわかるサボテンにわざわざ触れて、案の定棘が刺さりツッ!とその指を口元に持って行く仕草がよかった。ありがちな“孤閨を託つ未亡人の色気”とはちょっと違う、痛々しい危うさがチラッチラッと垣間見える。
服喪中ということで衣装はすべて黒ずくめ、メイクも黒いアイラインを強調して、いかにも南米暮らしの長い日本女性という風情ですが、これからだんだんキャラの展開に合わせていろんなファッションが見られそう。
迎え撃つ(?)ホテル従業員・吉岡槙(よしおか・まき)役高杉瑞穂さんは、島の唯一の外界との連絡口である滑走路の整備誘導とホテル客の荷物運びが仕事という設定に合わせてか、昨年より少し肌が浅黒くなりました。
ホテルオーナー・セツ(こちらも昨夏から連続登板剣幸さん)の姪で、後継者として厳しくしつけられている理生(肘井美佳さん)は槙にすでに本気全開、「こんな檻みたいな島で若さを浪費していくなんてぞっとするわ、あなたとなら何も怖くない、飛びたいと思わないの?」とガンガン迫っており、槙も満更でもない様子で、客室で押し倒したり(おい!)していますが、どことなく「据え膳食わぬは」的に調子を合わせているふしもあり、自室に航空模型、航空学の専門書、計器に視力検査表、なぜパイロットではなくこんな場所のこんな仕事を?という事情ともあわせて、いろいろ奥がありそう。
それぞれの事情を抱えた他人同士がかりそめに交差し集う空間で起きる、“グランド・ホテル”スタイルのドラマとあって、滞在客の中でも長逗留を決め込んでいる数人は、よほど外界から隔絶されたい、あるいは外界にいられない境遇なのであろう、一癖も二癖もありげな連中ばかり。
昨年の同枠、ほぼ同スタッフで成功した『美しい罠』に初っ端から比較して期待かけすぎるのもどうかと思いますが、「アレは序章に過ぎなかった!」と思わず嘆息が漏れるくらいの作品になってほしいものです。