らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

情けは人の為ならず

2022-09-25 | 雑学

「情けは人の為ならずの意味」
「情けは人のためならず」という諺があります。
この意味はよくご存じだと思いますが、中には誤解している人もいるようです。
実は、私も子供の頃、母親が間違って教えてくれたため、就職するまで本来の意味を知りませんでした。
誤解している人の殆どは「情けをかけるとその人のためにならないから、やめておこう」と思っているようであり、このことは、文化庁の平成 12 年度の『国語に関する世論調査』でもそのような結果が表れています
「情けは人のためならず」の本来の意味は、「人に情けをかけておけば、いずれ巡り巡って自分のためになる。だから人にはどんなときにも親切にしておいた方がよい」と言うことです。

「誤解の要因」
この諺を本来とは違う意味で理解してしまうのは,『ためならず』の解釈を誤ってしまうからだと考えられるということです。
それは、『情けは人のため「に」ならず』と無意識のうちに助詞の『に』を入れて、「その人のため「に」ならない」と判断しているのではないかという事です。
「に」が入っていれば当然のことながら『その人のため「に」ならない』と受け取れるので、それが誤解の要因と考えられるのです。

しかし、諺では『人のためならず』で、助詞の『に』は入っていません。
『人のためではない、即ち、自分のためである』と読み取る必要があります。

「この諺には続きがある」
「情けは人のためならず」には、後に続く言葉があると言われているのをご存じでしょうか。
それは
「情けは人の為ならず、 巡り巡って己がため」或は、
「情けは人の為ならず 己がこころの 慰めと知れ」です。

本来は上記のように「巡り巡って己がため」或いは「己が心の慰めと知れ」までがセットだとするものです。

「新渡戸稲造博士が由来?」
この諺の由来は新渡戸稲造博士と言われています。
大正4年に発売された新渡戸稲造の著書「一日一言」には、以下のような記述があります。

「施せし 情は人の ためならず おのがこゝろの 慰めと知れ」
「我れ人に かけし恵は 忘れても ひとの恩をば 長く忘るな」

この言葉では「情というのは人のためではなく自分のためにかけるものだ。人にしたよいことは忘れてもいいが、人からよくしてもらったことは忘れてはいけない」ということを伝えています。

このような事から、新渡戸稲造の書籍がこの諺の語源とする説もあるようです。