らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

関西弁の「あほ」の使われ方

2022-09-05 | 地元紹介

関西弁に「あほ」があります。
この言葉は東京の「ばか」と同じ意味で使用されることから、恐らく、全国民の方がご存じだと思います。

「意味」
「あほ」と「ばか」の意味を広辞苑で調べると、
・「あほ」は「阿房」(阿呆とも書く)、愚かであるさま、馬鹿な事。また、そのような人と説明しています。
・一方、「ばか」は「馬鹿・慕迦」、(梵語moha(慕何)、即ち無知の意からか。古くは僧侶の隠語。馬鹿は当て字)
 ①愚かな事。社会的常識に欠けている事。また、その人。愚。愚人。あほう。
等と説明しています。

この2語は現在、「あほ」は関西、「ばか」は関東という、分布図ができており、関東では「ばか」は、ごく日常的に使われていて、さほど気にならないようですが、関西人は「ばか」と言われるとむっとくるようです。
逆に、関東の人は「あほ」と言われると、気に障る人が多いということです。

「あほの語源」
「あほ」の語源には、諸説あります。
一説には、ポルトガル語で間抜けを意味する「アファウ」から来たという説。
他には、古くは「阿房」とも書いたことから、秦の始皇帝が阿房の地に大きな宮殿「阿房宮」を建て、遊びふけっていたために楚の項羽に滅ぼされしまったという故事から出たとする説。
更に、中国江南地方の方言で「おばかさん」を意味する「アータイ(阿呆)」を日本語読みした「アハウ」が変化したとする説や、

乳母のことを「阿呆(あほう)」といったことから、乳母をつけておかなくてはならないほどの馬鹿者の意とする説などがあるようです。

「大阪での「あほ」の使われ方」
この「あほ」という言葉は、大阪では「馬鹿」の意味だけでなく、さまざまなシーンで使われます。
例えば、「あほらし」「あほみたい」「あほやなあ」「あほくさ」などなど、軽い意味で多彩に使われています。
しかし、怖いおじさんやおばさんが、ドスを効かせて「あほんだら!」と言うと、ちょっと恐怖を感じます。

でも、たいていの場合、大阪人が使う「あほ」は、情がこもった言葉なのです。
例えば、相手が何か間違ったことを言ったり、しでかしたりすると、親しい間柄なら、「あほやな」ですませることができるのです。
あるいは、ラブラブのカップルなどの会話では、彼がおどけたことをしたりすると、彼女が笑って「あほぉ」とやさしく言ったりします。
こういう時の「あほ」は、大阪ならではの情愛がこもった味のある表現になります。

「使用による意味合い」
「あほ」の一言はニュアンスによって、伝えたい意味あいが変わります。
例えば、『んなアホな!』『ばっかじゃない!』という意味になり、
『ちゃうわアホ!』だと『違うじゃないか馬鹿たれ!』【間違いを注意する】といった意味合いになります。
更に、『アホやなぁホンマ!』『世話が焼ける奴だなぁ!』という【呆れているが放っておけない】の意味になります。
また、上司が部下を叱る時に「ドアホウ!何やっとんじゃ!」などがあります。
これは、その昔、私が仕事でミスをしたときに、上司から言われた言葉です。

このように、大阪の「あほ」という言葉は、東京の「ばか」とは違い、相手のいたらないところや欠点をやさしく包み込んで許す、包容力のある言葉なのです。