らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

手をこまねく

2015-03-04 | 雑学
今日は文化庁が言葉の本来の意味を解説しているページ「ことば食堂」からご紹介します。
今日ご紹介する内容は、昨年11月20日に公開された第15話「手をこまねく」です。

「手をこまねく」とは本来どのような意味でしょうか?
文化庁が平成20年度の「国語に関する世論調査」で「手をこまねいて待っていた。」という例文を挙げて、「手をこまねく」の意味を尋ねたところ、結果は次のとおりだったそうです。

例文:【手をこまねいて待っていた。】
(ア) 何もせずに傍観している・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40.1%(本来の意味です)
(イ) 準備して待ち構える・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45.6%
(ア)と(イ)の両方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.9%
(ア),(イ)とは全く別の意味・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.0%
分からない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9.4%



広辞苑によれば「手をこまねく」とは、①腕組みをする。また、考え込む。②手出だしをせず、傍観している。「手をこまねく」とも。と説明しています。
辞書が説明しているように「手をこまねく」は傍観していることを意味している言葉ですが、調査では本来とは異なった意味で使っている人の方が多かったようです。
「こまねく」は元々「こまぬく」という語でしたが、近年になって「こまねく」という形で使われることが多くなっているということです。

「こまねく」は、腕や手を胸の前で組み合わせるという意味を持っており、「手をこまねく」という慣用句の形でよく用いられることから、「手をこまねく」は、手を組んだままでいて何も手出ししないこと、つまり「何もせずに傍観する」という意味で使われる言葉です。

この言葉が「準備して待ち構える」という意味で使われることが多くなっている理由としては、「こまぬく」が音変化によって「こまねく」と使われるようになり、「まねく」の部分が「招く」と同じ音になることから「手招きする」というようなイメージで捉えられてしまうためといったことが考えられると言うことです。
「手をこまねいて待っていた。」という文を「(早く来いと)手招きするような気持ちで待ち構えていた。」などと読む人が増えているのかもしれないと解説していました。

「手をこまねく」とは、「手を胸の前で組んでいること」、転じて「何もせずに傍観している。」という意味です。
使用する時は間違わないようにしたいですね。