らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

合歓(ネム)の木

2010-07-06 | 
今日は、私が住んでいる住宅地の遊歩道に植えられている「ネムノキ(合歓の木)」の花と「芭蕉の句」をご紹介します。

ネムノキ(合歓の木)は、ネムノキ科の落葉高木で、梅雨の終わりから夏にかけて繊細で美しい花を咲かせます。
原産地は日本、朝鮮半島、中国で、日本では東北地方以南に分布し、和名はネム、ネブと言われています。

・遊歩道に植えられている合歓の木です。


・先日の雨で多数の花が散りました。


葉は2回偶数羽状複葉で、花は頭状花序になり梅雨の終わりから夏にかけて咲きます。

・花色は淡紅色で、雄しべが長く、繊細で美しい花を咲かせます。


羽状複葉とは、複数の子葉からできている葉を複葉といい、そのうち、鳥の羽のように葉柄から左右に2枚以上の子葉が並んでついている葉を羽状複葉といいます。
全体として羽状で、部分である羽片自体も羽状になっている葉を言うようです。

・2回偶数羽状複葉が美しいネムノキの葉です。


合歓の木の名前の由来は、夕方になると葉が合わさって閉じてしまうことから、この様を眠ることに例えたものと言われています。

・葉は2回偶数羽状複葉で、昼間はこのように開いています。


・夕方6時30分頃に撮影した画像です。名前の由来の基になっているように、葉が閉じ始めたものや、左側のように完全に閉じているものなどがありました。。


・こちらは葉が合わさって完全に閉じていました。


・このように葉を閉じたり開いたりする開閉運動は、動物に葉を食べられることを防ぐためとも言われています。



 「象潟(さきかた)や 雨に西施(せいし)が ねぶの花」  松尾芭蕉(奥の細道)

 意訳:雨にけむる象潟(さきかた)にネムの花が咲いている。それはまるで薄幸の美女・西施(せいし)が悩ましく目を閉じているかのようだ。

・芭蕉が、中国四大美女の一人・西施(せいし)を例えて句を詠むほど美しい合歓の木の花です。


象潟(さきかた)は秋田県にかほ市にある地名で、今から約2600年前、鳥海山の大規模な山体崩壊によって小さな島々や湖沼が出来た景勝地だそうです。
芭蕉は奥の細道で「松島は笑ふが如く、象潟は憾(うら)むが如し」と評してこの句を詠んだそうです。

また、西施(せいし)は古代(紀元前5世紀頃)中国の女性で、楊貴妃などと共に中国四大美女の一人とされています。
因みに、中国四大美女とは、楊貴妃(ようきひ)、貂嬋(ちょうせん)、王昭君(おうしょうくん)、西施(せいし)の4人の美女だそうです。