別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

万華鏡の中

2007-04-25 | アートな時間

1アルチンボルド ウェイター 2金子國義 花咲く乙女たち 3ルドン ペガサスにのるミューズ 
4伊藤若冲 付喪神図ツクモガミヅ  5ソーントン 薔薇 フローラの神殿より 
                                   写真 パンフレットより

    澁澤龍彦   -幻想美術館-     埼玉県立近代美術館
  フランス文学者、小説家、美術エッセイストである澁澤龍彦(1928-1987)の没後20年を記念する展覧会。  以下パンフレットより引く

  既存の美術史の枠にとらわれない、多くの美術家たちを紹介した。マニエリスムの時代からシュルレアリスム、近世から同時代の日本の美術家まで。 澁澤が紹介した美術家の作品を展示し、その嗜好や視点を探ります。

 また、1960年代は三島由紀夫や土方巽、唐十郎など、文学や演劇、美術の先鋭たちがジャンルを超えて緊密に結びつく時代でした。澁澤の周囲には、引き寄せられるかのように芸術家たちが集まり、一種のサロンの様相を呈していたといわれています。そのような交友のなかで、澁澤龍彦が時代をどのようにリードしてきたかを検証し、その美的視野の全体像を提示しようとする展覧会です

            -☆-

  ここには、 蛙が 偏見や狭い視野により いままで近づくことの無かったものがある。 異端や偏奇と思われていた芸術を、文化を新たに見つめることができた。  それらが大変面白く、 エネルギッシュに迫ってきた。
 澁澤龍彦の魅力と重なって、 どれも惹きつける。   今では好もしくさえ映る。 少しは成長したということだろうか。 

 前回の シュルレアリスム展 謎をめぐる不思議な旅 に次いで 達人の審美眼に埋もれた。 眼も心も まったく忙しい。  あれもある! これもある!
 この部屋に 澁澤龍彦がいて様々に色を変え 形を変え展開するもの、 プリント、 水彩、 ブロンズ、リトグラフ、 エッチング、インタリオ、招待状、コラージュ、オブジェ…… まさに万華鏡の中に入ってしまったような気分で  とにかく3時間 息つく閑もなく  面白かった!  もういちど見たい。 これほど多くの作品を よくぞ見せて下さいました。  堪能しました。    作品:約250点 資料:約50点   
   
 ノスタルジアとは、 まことに阿片のようなものだ。 それは言おうようもなく甘美で、しかも物悲しく、 ひとを酔わせる働きを持っている (…) もしかしたら、ノスタルジアこそ、あらゆる芸術の源泉なのである。もしかしたら、あらゆる芸術が過去を向いているのである      澤龍彦

  覚え書き
 宇野亞喜良  望遠鏡列車 
 谷川晃一    禅の研究
 
伊藤若冲  付喪神図     
 酒井抱一  春七草  秋七草
 
葛飾北斎  群盲象を撫でる   
 野中ユリ   狂王
 エッシャー  婚姻の絆
 マン・レイ  サド侯爵の架空の肖像
 エルンスト  振子の起源
 マグリット   扉がビロードのような夜に通じ……
 バルテュス  嵐が丘
 ゾンネンシュターン  人生の道化ランナー 足と頭の競走
 堀内誠一   フランスからの手紙 
 ワイエス    とうもろこしの茎と手押し車 
 アルチンボルド  ウェイター 1574年
 オディロン・ルドン ペガサスにのるミューズ 
    順不同

 詳細は こちら 5月20日(日)まで  パンフレット拡大

                  

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7 コメント

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埼玉県立近代美術館 (supika)
2007-04-26 21:05:00
澁澤龍彦展いらしたのですね。私は大の澁澤龍彦ファンですので、嬉しくなりました。とても素適にご紹介くださってよくわかります。この前のシュールレアリズム展で埼玉近代美術館のよさを知り、あの噴水も見事だったし、解説の方との会話もとても愉しくてすっかり好きになりました。
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幻想万華鏡 (boa !)
2007-04-26 22:37:56
う.ら.や.ま.し。目くるめく、まさしく万華鏡ですね。和も洋もこきまぜて、みやこぞ錦の琳派もダダも。これでもかとばかり、花の吉野山ですね。
好みです。いいなー。いーなー!!。

消化不良を起こして、引っくりかえることのございませんように。(付け足しは明らかに、やっかみです)


今日は、山奥の陶芸材料店にあるじのための土を買いに弟と三人で出かけました。車の動きも重くなるほど土を仕入れて、・・・いよいよ、重かった腰が上がるようです。
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ようこそ! (ラグタイム)
2007-04-27 17:31:12
 supikaさんの美術館のページを拝見し、その行動力をいつも眩しく眺めております。
 渋澤龍彦は以前日曜美術館で取り上げていたので興味深く思っていました。 手元の高丘親王航海記の幻想の世界へ誘われています。

 先ほど、リリアでふたりのクローデル展基調講演(芳賀 徹)を伺いながら、ファンの皆様も、きっとこの中にいらっしゃると、見えない糸をたぐりました。興奮冷めやらずコメント遅くなりました。
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百花繚乱 (ラグタイム)
2007-04-27 17:46:46
 boa!さん 図星です。まだ消化できませんが、 今まで遠ざけていたもの、前衛的な演劇、舞踊など、ちょっと妖しい魅力があります。印象派だけが絵画でないことも、美の基準の多様さも少し分かったのです。
 具象ばかり描いていても突然壊したくなります。一度消して、描き起こす中に存在するとわかったつもり。 多くの展覧でめまいを起こしていますが、もう一度じっくり見てきます。

 昇華された作品を心待ちにしています。拝見させてくださいね。
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誤字 (ラグ)
2007-04-27 18:10:33
 渋ではいけません。 ごめんなさい、澁澤龍彦です。 
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リリアホール (supika)
2007-04-28 16:28:43
リリアホールの芳賀先生の基調講演、良かったですね。きっといらっしゃるだろうと思ってましたが―
そのうち「ヒアシンスハウス」と「二人のクローデル展」行く予定にしてます。府中美術館でカミーユの彫刻見て素晴らしかったし、クローデル没後50年記念のときの芳賀先生のお話と「ひびきあう詩心」で大分予備知識もできて、二人をいっしょの展覧会にするという川口市の取り組みに感謝です。ここのところ埼玉県賛美が続きます。
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開室日 (ラグタイム)
2007-04-29 10:24:21
 水・土・日・祝日 午前10時~午後3時まで。水曜は建築関係の方が対応します。専門的なお話が聞けるかも知れません。 目的に合わせて、お間違いの無いようにお越し下さい。
 
 5月のそよ風がおもてなし。ぜひ窓を開けて 楽しんで下さい。

 川口には美術館がない、学芸員も居ない。 直に交渉して此処までなしとげた すばらしいですね。
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