別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

皇室の名宝・2期

2009-11-18 | アートな時間
紅牙撥鏤尺

17日 雨の美術館詣で。 
 
 御即位20年記念特別展
   皇室の名宝-日本美の華 2期
       正倉院宝物と書・絵巻の名品

由緒ある品々にかこまれ仕合わせな4時間です。 
 
 第1章-古の美 考古遺物・法隆寺献納宝物・正倉院宝物 

 順不同 思いつくまま  (展示品リスト

  ←・紅牙撥鏤尺 コウゲバチルノシャク 奈良時代
 ハスの花に乗る鳳凰、鴛鴦、含授鳥(花喰鳥)などの文様。 儀式用の物差し 側面にメモリ 紅と緑牙撥鏤尺を展示。 含授鳥は織物、敷物、 鏡など多くにみられた。

 ↓・螺鈿紫檀阮咸 ラデンシタンノゲンカン 奈良時代 
 中国の晋代(3-4世紀)に発明され、阮咸は竹林の七賢のひとり阮咸が愛用したことにちなむ。  五絃琵琶を思い出した。 飾りはヤコウガイ・琥珀・玳瑁タイマイなど。 瓔珞ヨウラクをくわえたオウムがぐるぐるまわる。 どんな音を奏でるのか。 すばらしい手仕事、 細やかな技、 本物の美に触れる。 人だかりができて皆さんうっとり。
 ↓ 背面(部分) 写真、解説は図録から

背面(部分)  螺鈿紫檀阮咸(表面)   ← 表面 黒っぽい皮の部分に阮咸を演奏する人や談笑するひと。 発売中のDVDなら音もあるらしい。

  ↓・木画箱(法隆寺献納宝物) 中国・唐代 7-8世紀
 木画… 鹿角、象牙、錫などで象嵌したり寄木の技法。木で描いた絵ということかな。

木画箱

 ・杜家立成 トカリッセイ  奈良時代 8世紀
 光明皇后自筆の書卷  往復書簡文例集。 豪放・闊達な性格… 文字にお人柄が出て  

 ・赤漆文欟木御厨子セキシツブンカンボクノオンズシ  白鳳時代 7世紀後半   欅の木目、 蘇芳色にもひかれる、 押縁、鋲、蝶番。 留め具の鏁子サスが 唯一かがやいていた。 天武天皇より持統・文武・元正・聖武・孝謙天皇へ伝領され、大仏に献納された。

  ・衲御礼履 ノウノゴライリ  つま先が反り上がり 先端が二つに分かれている 金の縁飾り ガラス、水晶、真珠をつけた銀台鍍金の花形飾りが付いている → 
 
朴の葉が描いた沓に似て

  展示品の一部はこちらで拝見できます。  

 

 

 逆沢瀉威鎧雛形サカオモダカオドシノヨロイヒナガタ
     (法隆寺献納宝物)平安時代
  精巧に作られた鎧の雛形(胴:黒漆塗の板、厚細の組糸。草摺:白、萌葱、紫、紺の糸で沢瀉の葉。 袖には逆さの沢瀉威。 草摺及び袖の裾板に金物の菊座。胴正面:矢筈の丸のなかに七曜花の文様 兜は木彫彩色)
 聖徳太子の幼少時の玩具の鎧として伝わっていた と。 胴の北斗七星…
 さまざまな技法が結集されている。 根来塗の台。下の黒漆のあじわい。
 たったひとつを心ゆくまで眺めていたい。

 奈良がすこし近づいた気がする。 時代もその背景も。 古寺を訪ね声明を聞くような幸福感です。 たくさんの宝物に会いそれぞれに惹かれ語り尽くせません。

 2章は古筆と絵巻です

 

 

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4 コメント

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螺鈿紫檀阮咸 (ふくら雀)
2009-11-21 22:18:30
螺鈿紫檀阮咸。御蔭さまで画像を通して遂に世界に遺存する二面を拝見でき興奮しました。感謝します。
平成14年の第54回の正倉院展での目玉ともいうべき”桑木阮咸”を拝見していました。
蘇芳で染めた桑材に四弦が張られた反対側の腹部は桑ではなかったと記憶します。とにかく多種の材料を用いて信じられないような精緻な仕事が施されていて、それは、もはや楽器というよりは手工芸の集大成といった感がしました。
この時代のものは本家の中国には多数あったはずなのに伝世しておらず、世界中で正倉院に遺された二面があるだけ。もう一面は”螺鈿紫檀阮咸”と聞いていました。
こちらのほうが更に美しいです。

紅牙撥鏤尺も、九国博が開館した折の記念展に同類のものが出ていましたが、(前のブログの2005年10月27日に小さな写真をあげています)象牙を赤く染め上げ吉祥文を鮮やかに配置したもので多くの人が足を止めていました。十数点あった正倉院御物で一際眼を引きました。これも今回の展示品の宝相華に一歩譲ります。

居ながら多くの宝物を拝見させていただきました。
1300年の時の経過が現実と思えないほどの新しさで存在し続けてきた奇跡に近い名宝にめぐり合う幸せを感謝しています。
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桑木阮咸 ()
2009-11-22 22:52:44
初めて拝見します。こちらに詳しい画像がありhttp://sips03.narahaku.go.jp/exhib/2005toku/mozou/images/mozou-05.jpg ゆっくりたどってみます。
螺鈿紫檀阮咸は↓http://abc0120.net/words01/imagesbig/abc2008070810b.jpg
 「もはや楽器というよりは手工芸の集大成」ほんとうにすばらしい工芸です。さまざまな技が競い合う。それと自然をみる眼、良いものを見分ける力に感服です。保存と修復をへて今なお伝わることを喜びました。
 懐かしい「もののあはれ」さんの物語でおさらいもしました。http://blog.goo.ne.jp/bonito_1929/d/20051027 考古遺物の流水文銅鐸や鏡などもお見せしたいですね。
 ふくら雀さん ふっくら広げてくださってありがとうございます。きょうは寒かったですね。九州はいかがでしたか。お風邪に気をつけてください。こちらは風信子荘ガイドでした。お返事遅くなりました。
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Unknown (蒲公英)
2013-07-20 10:53:28
このページの写真と説明を一部拝借しました。

ご都合が悪ければ削除しますので連絡してください。

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うれしいです ()
2013-07-20 16:20:22
 ようこそ! 蒲公英さん お断りをありがとうございます。 これからもよろしくお願いいたします。 「中今」 このことばを初めて知りました。 こちらこそありがとうございます。
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