別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

支那沓

2009-11-11 | こころ模様

        

          山路を歩いてゆくと
       今落ちたばかりの
       黄色い朴の葉が五六枚
       支那沓グツのやうに反りかへつて
       道に散乱してゐた
       ああこの艶アデヤカな色の目覚しさ
       まるで誰か貴い人達が
       沓をぬぎ捨てて
       素足で去つた
       夢のシインのあとのやうな静かさ

                    落葉   千家元麿

 
         -☆-

  ・今落ちたばかりの  
   貴人がぬぎ捨てた支那沓…   うまいな  
    夢のシイン  静けさは パステルで
     
       朴落葉いま銀となりうらがへる      青邨
        日を掬ひつつ朴の葉の落ち来たる    占魚

  ・九日ぶりの雨  片付けないで 読みふけった
   手紙の束 美術展のチラシなど段ボールにいっぱいだ

  ・そろそろチーズケーキ焼いて… 
    落ち葉のころになると かならずリクエストだね
       リッチなケーキと紅茶は美味しいけれど 



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2 コメント

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朴落ち葉 (ふくら雀)
2009-11-12 20:26:19
大きな朴の落ち葉の存在感、詩人達が捉える豊かな情感の世界を楽しませていただきました。

以前の美しい「落ち葉」の画像の世界にも、もう一度彷徨っていい時間でした。

箱一杯の美術展のチラシで、もう一度夢を見ることができるのもいいものです。
お互い、幸せを感じる時間に幅があることは祝福すべきですね。

今宵は正倉院展の古い図録など拡げて古代史の夢を辿っています。
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木の葉時雨 ()
2009-11-12 23:06:47
 ふくら雀さんのお宅も時雨が降っていましたね。しぐれの音の淋しさは…自然の幽寂なる私語ササヤキであると國木田独歩。余韻のあるしぐれの語感も好き。今日もきのうも細かな雨がさっと通り過ぎました。

「お互い、幸せを感じる時間に幅があることは祝福すべきです」うれしいです。 わたしは浅く、いつもふくら雀さんのご教示を待っています。ありがたく思います。
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