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ドアの向こう

日々のメモ書き 

僕は

2008-03-15 | 別所沼だより

 
      僕は 背が高い  頭の上にすぐ空がある
      そのせゐか  夕方が早い!         立原道造

  
  男の子ふたりの質問は 「いちばん好きな詩をおしえて…」 だった。 それで小学生に読んで聞かせる。  雰囲気はつかんだかな。  瑞々しい心に伝わっただろうか。 道造さんは  ほっそりとして とても背が高かったのよ…

  長身痩躯、 いかにも都会育ちの瀟洒な好青年であった。 萩原朔太郎さんが最初に彼の訪問を受けたとき、 芥川龍之介の息子が来たとまちがえたとのことであった (神保光太郎)

  少年は、 ヒアシンスハウスのスタンプを押し、 メモ用紙に「僕は」 の詩を一生懸命に写した。 立、原、道までは漢字で書けるよ。 帰りにきちんとお礼を言って出る。 
  9歳とは、 こんなにもしっかりしている。

                -☆- 

  朝から晴れる。  初夏のような日差しに30名近く訪れた。 とくに子供たちが多く、 喜ばしい。 絵画教室の先生と生徒たちなど。   
     

  窓辺で ヒアシンスも香る。  鵜は3羽になり、 翡翠の姿はない。  カモメが数羽。  白い鳥と、 黒い鵜が並ぶ浮島も、 風に吹かれて 少しずつ移動している。

  空き地の隅を花大根が占め、 以前は散らばっていたオオイヌノフグリが、 一面にコバルトを広げている。 
  空の瑠璃色が降ったのだろうか。 一段と濃くなって、 僕の別名 「星の瞳」。

      犬ふぐり星のまたたく如くなり     虚子

        

   
  午後。 絵を描く先輩が、 古い写真を持ってきた。
  43年前の別所沼である。 岸辺に行儀良くならんだ木はメタセコイアであろう。 若木は高台の家を見上げている。
  昭和40年4月10日 子供を乗せて、 楽しげにボートを漕いでみせる彼女も、 溌剌として若い。

  

  
  現在は、 公園の奥は児童広場だが、 そのあたりが牧場だったらしい。 神保光太郎 の詩に 「牧場にて」 がある。 馬もいたのだ。

  北浦和公園に移った美術館も、 この頃は別所にあった。 今は、 公園管理事務所が建っている。 ハウス前は砂利が敷かれ、 駐車場であった。

コメント (2)
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