別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

小村雪岱

2008-03-04 | アートな時間

  常設展がおもしろい  小村雪岱 コムラ・セッタイの江戸モダン

  キャプションに 1918年(大7) 開設間もない資生堂意匠部に入社。 資生堂デザインの基礎を作った 1923年退社 とある。
  子供のころ雪岱のなまえを知った。 おとなが町の化粧品屋さんで貰ってくる冊子を楽しみにしていた。 モダンな「花椿」。 いま思えば、 レトロな銀座の匂いと、 流行の最先端が載っていた。
  確かでなかった記憶が、 雪岱の展示に結びついてほんとうに良かった。

    

  この MATCH LABELS のなかに 雪岱のデザインもあるのかしら

  ・白と黒の美学- 挿絵の世界
  はじめはビアズリー風や西洋的な挿絵が、 次第に浮世絵や日本画の静謐なものにかわっていく。 ミレイのオフィーリア風(川口松太郎作 「女師匠」大正15年)もある。 墨 木版など   

  ・月夜の三馬  ・おせん 1941年頃 没後の後摺り
  ・西郷隆盛 (挿絵原画)
 
  代表的日本人  内村鑑三  岩波書店 によると  西郷は…
  人を訪ねていっても、中の方へ声をかけようとはせず、その入り口に立ったままで、だれかが偶然出てきて、自分を見つけてくれるまで待っているのでした  西郷の生活は地味で簡素でありましたが、その思想は、聖者か哲学者の思想でありました…    

  雪岱の洗練された絵は、 犬を生涯の友とするほど、 たいへん寂しがりやだった西郷の、 純粋な意志に迫るものだった。 連載最後の絵が 絶筆となる。

  ・情細やかな意匠- 舞台装置の世界 
  大菩薩峠 源氏物語 一本刀土俵入りなど  背景は役者の邪魔をしてはならず  袖に入った時は 細部まで情趣ある景色を見せなければならない と。 舞台装置ながら、 繊細な写実で観客は臨場感もたっぷりだった。 なまこ壁のリアルさ。 蝶がとまっている。 まるで現場に立っているような感じがするほど。 役者の特徴や照明効果まで配慮された。 1/50縮尺の原画は彩色されていますがモノクロで。  拡大

       一本刀土俵入り
 序幕第一場 取手の宿・我孫子屋の前

         
         序幕第二場 利根の渡し

 
       大詰第一場 布施の川べり  


          大詰第二場 お蔦の家

 

 
 ・雪岱調の源泉-古典絵画と鏡花文学への憧憬 
  見立寒山拾得  ふつうは隠者がふたり ここでは 女性ふたり 落ち葉に筆で詩でも書いているのだろうか 

  鏡花と雪岱   雪岱の作品を使った現代の出版物   

                 
 

       

    ・青柳  ・落葉  ・雪兎模様着物 帯など
  
おせん挿絵 見立寒山拾得・原画は彩色

   ○「視覚への挑戦-近代から現代へ」
 新しい表現への道を切り開いたピカソ、デルヴォー、モホリ=ナジ、マン・レイ、マルセル・デュシャンらの作品をはじめ、近代から現代へと続く「視覚への挑戦」の諸相を紹介します。  (美術館の案内より)
  
  デュシャンの回転すると立体になる作品 興味が湧く