毎年 風信子忌は3月の最終土曜と決めている。 今年、 命日の3月29日にぴったり合ったのは、 珍しいことである。 昨年の風信子忌 歌の秘密
谷中多寶院にて 墓前祭のあと
上野池之端 水月ホテル鴎外荘に移る。
・式辞
・挨拶
・第2回立原道造賞受賞者挨拶 桑野洋紀
日経アーキテクチュアコンペ 立原道造賞
(20歳代の若手建築家を対象とする最高賞として創設された) 関連記事
・詩朗読 佐岐えりぬ(詩人・故中村真一郎夫人)
「村ぐらし」 「詩は」 「風のうたつた歌 その1~3 : 一日 草はしやべるだけ」
・講演 「道造讃 (みちぞうさん)」 立原えりか(作家)
ファンだったので立原とつけたが、 詩人にはなれなかった。 中2のとき立原の詩「のちのおもひに」に出会う。 この世にこんな美しい作品があることをはじめて知った。 きれい過ぎる、 手が届かないね と思った。 憧れるほどに、 彼の美しすぎることばは痛い思いだけを残す。 詩集、研究書などを読んだが、 あるときから道造を忘れようとし、 封印してきた…
「運動会のときに いつも一周遅れで走っていた」 という立原の詩におなじ思いを見つける。 童話の新人賞受賞。 結婚、 綺麗なだけではすまされない、 現実… 封印するきっかけなど語った。
-☆-
封印したのに、なぜ立原を名乗るのか… 厳しい質問もあり、 熱烈なファンの前で 気の毒なくらいの作家さんでした。 司会者は、 幸福の背後にある悲しみを描く… 道造あっての 「立原えりか」 さんの作風である と結ばれた。
「立原」 をペンネームに選んだ、 岩場に咲く、 厳しさのなかで花開く ヒース 「えりか」さんの童話を 私はまだ読んだことがない。 これから読もうと思う。
講演内容は 青い小麦さんにくわしくありましたので、ご紹介します。
・懇親会 献杯 会食
郵便函は荒物店の軒にゐた
手紙をいれに 真昼の日傘をさして
別荘のお嬢さんが来ると 彼は無精者らしく口をひらき
お嬢さんは急にかなしくなり ひつそりした街道を帰つて行く
… 中略
村中でたつたひとつの水車小屋は
その青い葡萄棚の下に鶏の家族をあそばせた
うたひながら ゆるやかに
或るときは山羊の啼き声にも節をあはせ
まはつてばかりゐる水車を
僕はたびたび見に行つた ないしよで …
「村ぐらし」 立原道造 抜粋
朗読を聴いていると 詩は映像となって 心にひびいてくる
真昼の日傘をさして… 陽は 大きな日傘になった
山羊の啼き声にも節をあはせ … 山羊の啼き声に 節をあわせる水車