退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

子どもじゃないのよ大人は

2008-04-15 04:24:48 | Weblog
快晴。雲ひとつない青空。

小林信彦「つむじ曲がりの世界地図」を再読。

かつて著者の作品は角川文庫からあれこれ出ていたのだけれど
「パパは神様じゃない」と同様によそから出ない本。

いろんなことが試されていて
若さゆえの情熱が迸っている作品。

海外旅行が農協によって頻繁に行なわれてたような
35年前くらいのお話があれこれ。

なぜ旅をするのかという問いかけは
それが「人生のあがき」だからというよりない。

ふたつに別れた人格は「闘争」を続ける。

「だれにも相手にされずに、肌の色の違う人々のあいだをさまよう時の、
刺すような孤独感には喜びがないといえるのか」という絶唱。

そういう背景を知ることが
いわゆる「大人」なんだと野暮な蛇足をしておこう。
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天気のせいにしておこう

2008-04-14 00:39:55 | Weblog
くもりのち雨。夜になってもしとしと続く。

一週間遅れで図書館に本を返しに行く。
借りてきた本は以下の6冊。

小林信彦「日本橋バビロン」「映画を夢みて」「つむじ曲がりの世界地図」
マーク・ローランズ「哲学の冒険」

斉藤環「メディアは存在しない」
舞城王太郎「九十九十九」。

小林信彦は「日本橋バビロン」以外再読。
「哲学の冒険」は映画をタネに哲学を語るという趣向にやや惹かれた。

斉藤環はこれまで今ひとつ乗れないのでもう一度試すため。
舞城王太郎は東浩紀の読みを確認するため。

橋本治が出した小林秀雄の本は必ず読むつもりで
金井美恵子の「日々雑禄3」はたしか夏に出るはず。

もっと関心の枠を広げなければと思いつつ
今宵の天気のようにややジメジメ。
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汗の中身

2008-04-13 00:59:04 | Weblog
晴れ。初夏を思わせる気候。
少し歩くだけで汗が出る。

増村保造「黒の報告書」を観る。

前途洋々の検察官がベテラン刑事の助けを借りて
会社社長殺しで社長の妻と浮気していた元部下の男を起訴する。

自白は取れなかったものの
社長の愛人だった秘書の証言を中心に証拠固めは十分なはずだった。

ところが相手の弁護士がくせ者で
証人たちを金で操り検察調書とは異なる内容の証言をさせる。

「裁判はゲームだ」という弁護士の台詞は正しいし
指紋という証拠があってもそれが付けられた日時が異なれば意味を失う。

元部下と社長の妻の関係も物証がないため
たとえそれらが事実であっても証明は出来ない。

監督が「構成」に関わっているせいか
少し欲張りな作りになっている。

人を裁く時にかく汗をやがてわれわれもかくことになる。
いや、それは当然のことなのだと言うべきか。

検察官・宇津井健、秘書・叶順子、元部下・神山繁、妻・近藤美恵子、
先輩検察官・高松英郎、刑事・殿山泰司、弁護士・小沢栄太郎、
先輩検察官・見明凡太郎、社長の弟・上田吉二郎、警部補・中条静夫ら。
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昭和の匂い

2008-04-12 01:11:20 | Weblog
晴れ。あたたかい。

近所に飲み屋を発見したので行ってみる。
クラブをやってたママさんが居酒屋を始めた印象。

ホステスらしい女性も客と来ていて
いかにも昭和な雰囲気。

黙って焼酎を飲んでいたのだけれど
三度ほど注文間違いの皿が来る。

客は背広のお父さんたちが多かった。
かなり年齢層は高そう(「昭和17年」という声を聞いた)。

ママさんはお酒を飲めないと言っていた。
自分の店で出してる焼酎を「おいしいんですか?」という無邪気。

十朱久雄や東野英治郎がいればと、ふと思いながら帰宅。
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哀しき地帯=郊外

2008-04-11 02:14:32 | Weblog
雨。一日中降る。

仕事場の異動がようやく落ち着く。
来週から郊外へ出かけることになるはず。

地下鉄がそのまま外へ出る電車で
夜にホームに立っていると哀しくなる場所。

照明が暗くて本も読みにくい駅。
タバコが吸える喫茶店も見つかってない土地。

住んでいるサラリーマンの方々は
よく家に帰るのがイヤにならないなと思う。

ま、それでも
どこへでも出かけるのが素浪人の運命。
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「人間らしく」をとうにすぎて

2008-04-09 01:06:41 | Weblog
雨のち晴れ。起きたら晴れていたが。

増村保造「黒の試走車(テストカー)」を観る。

ふたつの自動車会社が互いの新車の性能や価格を盗み合う中
若く有能な社員は自分の恋人を相手の部長と寝させてまで情報を取る。

だが社内のスパイを「自白」させた上司のそのやり口に
「人間らしくやりたい」と会社を辞めて恋人と仲直りするお話。

社員・田宮二郎、恋人・叶順子、上司・高松英郎、部長・菅井一郎
平木・船越英二、的場・上田吉二郎、バーのマダム・響令子ら。

敵の部長は関東軍上がりの猛者なのに
恋人に簡単に情報を盗まれるのがやや強引か。

結局一番得をしたのは
両者に情報を売っていた的場とマダムのコンビ。

この監督特有の「女らしさ」が出てこないのは残念だけれど
仲直りした恋人は新車での北海道旅行が出来なくなったことを嘆く。

もちろん冗談半分ではあるものの
「モノはモノで大事」だという半分が「女の残り香」だとしよう。

1962年(昭和37年)の作品は
現代の目からすると「人間らしく」に頼りすぎている感じ。
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「間」の感覚

2008-04-08 04:51:44 | Weblog
午後から雨。仕事帰りに傘を持たずに濡れる。

何かを好きになるということは
何かを嫌うようになるということ。

たとえば食の安全を求めるためには
「誰が何を作ったのか」ということを確認できた方がいい。

がしかし。

「誰が何を好むのか」について
あらゆる情報が確認できるようになるとすると。

「好きなもの」しか与えられないということは
自動的に「別の物を嫌いにさせること」。

そこで考えなければならないことは
あなたの「好き」はどこで決められたのかということだ。

「消費は人を孤独にする」

それだけでなく
「限定された好み」しか知らないことは「誰かに操縦されやすいこと」でもある。

どちらが「正しい」というわけではない。
その「間」を生きるしかないこと。

バランスを重んじるのは
「てんびん座」ゆえということにしておく。

電子辞書の「貧しさ」は
「ピンポイント」でしか情報を提供しないところでもある。
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狭いながらも

2008-04-07 01:23:19 | Weblog
晴れ。おだやか。

叔父の17回忌で実家に行く。
久方ぶりに妹の子どもたちに会う。

ほっしゃん似の末娘はこっちを見てよく泣いたものの
別れ際のバイバイで満面の笑みを見せる「おなごぶり」。

上ふたりの兄弟はこたつにもぐって汗だくで「トンネル脱出ゲーム」をする。
買ってきた駄菓子を並べて二階で店も開いていたのにも付き合う。

脳腫瘍になったという坊さんがやたらにしゃべる。
手術を担当する医師に金を渡す風習はまだ続いている模様。

オヤジな叔母に「儲かってるか」「彼女はいないのか」と聞かれる。
前者には徹底的に縁がなく、後者にもおそらくない。

母親は「数独」をやっていて少し要領を教える。
結局見落としが多いのだと判明する。

それぞれの春はそれぞれに進む。
帰宅して何故かホッとする。
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ささやかな人生の基調低音

2008-04-05 02:53:29 | Weblog
晴れ。風そこそこ強し。

ソウルバーへ行く。
開店直後からマスターとふたりきり。

激辛ウインナー・納豆のお好み焼き・辛目のあんかけ豆腐。
いつもの3点セットで飲む。

「最近ペースが早いですね」と言われつつ
ニューボトルを入れる。

自分の居られる心地よい場所のためなら
進んでお金を払う気持ちになる。

気持ちよくなったついでに
ちょいとイタズラしてみたのだがノー・リアクション。

帰宅後いつのまにか寝てしまい
今頃起きるお粗末。
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予言とリアルの隙間

2008-04-02 02:47:23 | Weblog
晴れ。今日も風強し。

「爆弾低気圧」と呼ばれるものが新たに現われ始めたということは
従来の気象に何らかの変化が起きていることは確実だろう。

台風でもないのに台風並みの風が吹くということは
これまでなかった。

この「異常」は前例がないので
ほとんど誰も「未来」を予測できない。

そこであらためて考える。
「これまで誰も未来なんて予測できなかったはず」。

いや、ちがう。

初期条件を元に「未来」を予測した人はいるのだ。

彼らはその時々の「人間のクセ」を知っていた。
あるいは自分のセンサーでそれを捕らえていた。

それぞれの「予測」をきちんと戦わせること。
そして「検証」すること。

「メリー・ポピンズ」のように
人が空を飛ぶことはリアルになるかもしれない。
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