退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

若者を既成に「組み込む」ことしか考えない社会

2010-11-18 02:25:42 | Weblog
くもりのち晴れ。昼間に寒さあり。

萩谷朴「おもいっきり侃侃」ようやく読了。
引き続き三田宗介「まなざしの地獄」を読む。

「まなざしの地獄」(’73)「新しい望郷の歌」(’65)の二編を収録したもの。
「現代社会の社会意識」(’79)も読まなければと思わせる内容。

統計の数字から具体的な「事実」を読み取ることに著者は長けている。
理屈の筋道が簡潔で説得的なのが特徴。

解説の大澤真幸は連続射殺犯の「N・N」と秋葉原事件のKを重ねて考えたりしている。
あるいは高度成長期に「伝統的な家郷」が崩壊したことと現代の「ネット心中」についても。

「新しい望郷の歌」は流行歌に歌われた内容から
当時の青年たちの気持ちをあぶりだしたもの。

「故郷=家郷」としての「帰る場所」はすでに失われ
あらたにそれを別の場所で「構築」するしかない若者たちを浮き彫りにして鮮烈。

集団就職が流行していた頃
「金の卵」は「地道な労働力」としてしか認められなかったということ。

現在の若者の扱われ方も似たようなもので
「即戦力」としての機能を求められるあたりがさらに厳しいのか。
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