退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「『複雑さ』を生きざるを得ない人々のことと圧倒的に『批評』があふれる映画」について

2024-06-19 02:32:48 | Weblog
雨のち晴れ。傘なしで出かけてセーフ。

森山至貴×能町みねこ「慣れろ、おちょくれ、踏み外せ」を読む。

副題に「性と身体をめぐるクィアな対談」。
「人それぞれの意味」が複雑で。

「誰もが好きに生きられる環境」を確保したいと思いつつ。
「自分が無意識に持っている偏見」はあるのだろうとも。

後者が伊是名夏子を採り上げているのにふむふむ。
中日新聞で連載中のコラムは読んでいて。

「結婚」や「家族」が自動的に好ましいものなのかどうか。
「否定」よりは「ずらす動き」が肝心なのかも。

「私の不幸は私が決める」という台詞はカッコよく。
「誰かに決められたくない」気持ちは確かだから。

こういう「視点」があることは知っておきたいもの。
この種の「複雑さ」を生きざるを得ない存在が「隣り」にいることも。

ヨルゴス・ランティモス「ロブスター」(’15)を観る。

「カップルでいることを強制される社会」が舞台で。
それが不可能だと動物にされてしまうという奇妙な設定がなかなか。

「森に隠れる独身者たち」を狩ると「ホテル」に居られる時間が延びる仕組みも。
カップルになるために「共通点」に異様に拘る姿も忘れずに。

コリン・ファレルは腹を膨らませて登場。
ジョン・C・ライリーが懐かしく。

「愛に生きることになる」レイチェル・ワイズと。
それを否定し罰を与える独身者のリーダー、 レア・セドゥの「対照ぶり」よ。

メイド、アリアーヌ・ラベドの「複雑さ」など。
彼女が男性陣のペニスを尻で勃起させて「相手探し」を促すグロテスクも。

ラストは谷崎潤一郎「春琴抄」の趣き。
ただし「結論」は曖昧に。

何とも「批評」が目立つ作品。
以前から気になってはいたのだがやはり観てよかった次第。
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